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信念を抱くもの

 シュッ


微かに空気を切り裂くような音がした。


 ゴトッ 

  ドサッ


突然何もない空間から魚人兵の首が床に転げ落ちると

続けて突然現れた首のない胴体がその場に倒れ込んだ。


 (これでとうとう1万越えたんだけど

  まだまだいらっしゃいますか・・。

  どんだけ作りやがったんだ、あの野郎。

  まぁ、仕込みもあらかた完了だな。


  ステルスモードか認識阻害魔法かけてる相手でも、

  使い古しの手で何とかなってるけど。)


この巨人族の移民船は全体を球状に覆うバリアがあるため、

外部との通信が直接できない。

孤立無援となっているセブン一人に対して

数万規模の敵兵という、圧倒的数的不利な状況下ではあるが、

ブラックなザックバーン社の傭兵組織で酷使されていた

セブンは、お陰様で何度も経験しており、楽勝のレベルであった。


 (いやいや、全然楽勝じゃないんだけど。

  こんだけ多いのはなかったよ。

  バカプロフェッサーめ、何処にいやがる。)


目下のセブンの捜索対象は、この世界でも

電脳兵を生み出しているプロフェッサーだ。

 

セブンがこの船内に展開しているのは、

バグドローンを使ったスパイダーネットのような

探索システムだ。


光学、熱源、重力変位センサーを備えた

探査バグドローンからの情報を取りまとめる、

小隊長のようなバグドローンユニットがあり、

さらにその小隊長の解析データはミラーリングされ、

セブンの電脳内で処理されている。


敵兵にもバグドローンを使ってくるものがいるので、

その小隊長ユニットが破壊されたとしても、

一瞬は情報が途絶してしまうのだが、

すぐにミラーリングしていたドローンと入れ替わるので

追跡不能にはならない保険付きのシステムだ。


今までの所小隊長ユニットを破壊する敵兵はおらず、

予備で作りまくっていたユニットが余っているほどだ。


そんな中、ついにプロフェッサーの位置が特定できた。


 (よし、出番だな。

  ついにあれを実戦導入してみますか。)


世界樹の森には様々な魔物が住んでおり、

認識阻害を使って攻撃をしてくる魔物はざらにいる。

その中でも攻撃方法に注目した魔物がおり、

セブンはその攻撃方法を採用した暗殺用ドローンを

錬成し、船内の至る所に放っていた。



 「クックックック、あのミサイルでこの世界を

  核の冬で閉ざしてあげれますねぇ。」


改造、配備が進んでいる数千規模のミサイルを

確認するプロフェッサーの眼内モニターが怪しい光を放っていた。


 (ふざけんな、閉ざされるのはお前の命だ。

   断ち切れ、魔力糸よ!)


セブンの電脳からの指令で、プロフェッサーの頭上にいる

不可視のドローンが動いたようだ。


 ピュン!ピュン!


何かが凄まじい速さで空気を切り裂いたようだ。


 「グッ・・この・・・」


 ドサドサッ


と音を立てて、いくつかの破片に切り分けられた

プロフェッサーの体だったものが床に転がり落ちた。


同時にシュッボーンッという独特の音を上げて

高音の炎が湧き起こると、破片がその場でとろけて

煤に変わっていった。


森の狩人、ダークスパイダーが使う、

すべてを断ち切る神鋼の糸と、改良型燃料気化弾の

連携攻撃だ。

似たようなスパイダー型ドローンに

神鋼の糸をふるわせて切り刻み、ボディに

搭載している手投げ型爆弾を放出し焼き尽くしたのだ。


割と中ボス的な感じのするプロフェッサーだが、

今回もあっさりと倒されてしまった。


 (いやいや残念そうに言わないでくれるかな?

  しくじったらやばい相手に違いないんだけど。

  

  この危ないおもちゃは取り上げとくかな。

   収納!)


ミサイル全てがセブンのアイテムボックスに消えていった。


 (じゃ、後はEMPで魚人兵には眠ってもらうかな。

   タイマーセット完了

   シールド展開完了  ドローンも退避完了


    はい、みなさんさようなら っと。)


船内の至る所で爆発音が響き渡り、

しばらくしてから捜索を再開したバグドローンからは

倒した魚人兵の数がレポートにあげられてきた。


電脳兵の調整ポッドは破壊していない。


 「さて、皆さんもうシールド解除して大丈夫ですよ。」


調整ポッドのあるはずのブロックまで移動したセブンが

何も目視できない空間に向かってそう声をかけると、

突然凄まじい数の巨人族が現れた。


そう、巨人族は電脳兵化されても、

彼らの持つ固有力で体内の6つのチャクラを回すと

電脳内の指令や制御は掻き消えて、自我を取り戻していた。


セブンより大きいが子供の巨人族でも

親が手を貸すことで子供の体の中のチャクラを回せるので

問題はなかったようだ。



ここへ来る前にシヴァ神からは、巨人族の捜索と、

彼らに何らかの精神制御がかかっていた場合でも

正気に戻せる方法として、手をかざして

相手の体内のチャクラを強制的に

回す神力操作を伝授されていた。


彼らの持つ第3の目の奥にあるチャクラが回れば、

電脳化されていたとしても、彼らの信念が目を覚まし、

必ずや元の精神を取り戻すであろうと言っていた。



 「私のようなもののことを信じてくださいまして

  ありがとうございました。

  シヴァ神様に良い報告が出来そうです。」


 「いや、それには及ばぬよ、セブン殿。

  今、シヴァ神様には念話で皆救われたことを伝えた所だ。

   尽力に感謝するとのお言葉だ。


  私はこの艦の艦長についているガーラだ。

  皆に変わって礼をいう。」


セブンの倍以上の巨軀の男がそう言って礼をしようとした時、

その体を黒い炎の剣が貫いた。 

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