ベンチは名前が欲しい
大学三年生の詩乃は、街を歩き回って喫茶店を探すことと、自宅近くの巨大公園”万雫の森公園”に通うことだけが趣味であり、公園にある大量のベンチ一つ一つに名前を付けていくことが密かな楽しみであった。名前のないベンチはその立地で名前を新たに付けられることもあるが、たまたまそこに座っていた人の特徴から身勝手に付けることもある。ベンチの数だけ人との出会いがある。詩乃とベンチとそこで出会った人々、そこに生まれたストーリーを追う短編連作。
1-ラッパ吹きのベンチ(1)
2017/10/23 19:25
(改)