表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神スキルストアで楽々異世界ニート生活 ?  作者: 荒三水
二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/87

空気彼氏

 ―――――――――――――――――――――

 

 トウジ・ミシマ


 冒険者ランク F


 ジョブ プリンセスナイト

 レベル 3


 HP 840/840(+1680)

 MP 60/60  (+120)


 筋力 90 (+180)

 体力 89 (+178)

 敏捷 88 (+176)

 知力 97 (+194)

 運  30 (+60)


 ―――――――――――――――――――――


 確かにプリンセスナイトになっていた。

 レベルが1じゃないところを見ると、さっき鳥さんを悶絶させてレベルアップしたのかな。


 転職しただけでも、基礎ステータスはアップしているみたいだが……このプラスはなんだろう?

 レナに聞いてみるか。

 

「ちょっと見てくれよ。強くなったみたいだけど……これってどういうこと?」

「あっ、ちゃんと強化されてるね。これはプリンセスナイトの特殊効果で、聖女のそばにいると能力が上がるの。えっと、今は私の聖女レベルが3だから3倍なんだけど……上がればもっと増えるから」

「マジか……そりゃすごいな」

「でもあんまり私のそばを離れるとマイナス補正になって、能力が三分の一以下になるから気をつけてね」

「えっ……」


 ってことはレナから離れたら無職の時とほとんど変わらないじゃないですかやだー。

 

 レナが上機嫌な一方で俺が肩を落としていると、死体検分から戻ってきたアムが疑問を口にする。

 

「というかトージよ、おぬしなぜプリンセスナイトではなかったのに、わらわと初めて森で会った時、聖剣が使えたのじゃ?」

 

 それは聖剣装備の神スキルのおかげなんだが……神スキルうんぬんはコイツには言わないほうがいいな。


「それはね~トウジには神スキルがあるから! すごいでしょ~」

「カミスキル? なんじゃそれは……それはどういう……?」


 勝手にバラされるんだよなぁ。

 アムがまたも興味深そうに俺の体に触れようとした手を、レナががっちり掴んだ。

 

「それはそうと、早くもとに戻してあげないとね。アムちゃん?」

 

 ニコっと笑顔だが怖い。

 まったりニートをするための家の周辺が、魔族連続暴行現場になってしまう。


「まっ、待て! なにもそんなに慌てんでも……と、とりあえずわらわのことよりも、事態を収拾するのが先決じゃろう。そっちは早くしないと手遅れになるやもしれんぞ」

「だいじょうぶだいじょうぶ、すぐ済ませるから」


 何を済ませるんですかね……。

 バラバラにして埋めるまでがセットかな? 

 身の危険を感じたのか、アムが必死に泣きついてくる。

 

「ト、トージ様ぁ、ど、どうかお助けをっ! 決してもう、悪さはしませんからぁ! 従順な性奴隷として、どんな過激なプレイもこなしてみせますからぁ!」

「だからそれがいかんと言ってるんだろうが! まあいい……それよりも早く、城に行ったほうがいいんだろ? アムのことはとりあえず置いておいて……その姿のままなら、できることもたかが知れてるだろうし」

「わかった、トウジがそう言うなら……急いでお城に行こう! みんな助けを待ってるから!」

「でも人質とか取られてるんだろ? 聖剣があると言っても真っ向から行くのはどうなんだろうな」

「あ、そっか……」


 人質さえいなければ、力押しでなんとかなりそうだが……状況がよくわからないからな。

 

 俺とレナがそろって考え込んでいると、アムが元気よく手を上げた。


「私にいい案がありますぅ! 任せてくださぁい!」

「なんだよお前、まだついてくる気か?」

「……わらわも一応、これで追われる身じゃからな。ヘタに逃げるより、聖女と聖剣の傍にいたほうが安全じゃろうし。それにわらわをこんな目にあわせたアホに、しかるべき報いを受けさせてやらねばな。三魔族最後の一人は、今回の事を起こした張本人じゃ、生半可にはいかんぞ~」


 また死体蹴りする気だろこいつ。

 次は魚野郎かなんかが出てくるのかね。

 魔族というか、ただのイロモノ衆の気がしないでもないが……。


「で、その案ってなんだよ」

「えーそれはですねぇ~、一度、お家に入りましょう! ほら、聖女様もはやくはやく!」

「わっ、ちょっと……」


 アムは有無を言わせずレナの手を引っ張っていく。

 嫌な予感がしながらも、俺はその後に続いて家の中に戻った。


 

 

 

 その数十分後。

 俺達は、というかアムはレナを縛っていた。

 比喩でも何でもなく文字通り、縄で縛り上げた。


「全く、無駄にでかい乳しおってからに、縛りづらいったらありゃせん」


 しかもただ縛るのではなく、無駄に胸が強調されるようないわゆる亀甲縛り的な奴だ。

 ある部分を引けば一発で解けるようになっているとか言ってるが本当かよ。

 有能すぎるだろ。

 

「ちょ、ちょっと、どこ触ってるの、くすぐったい!」

「くすぐったい~? くすぐったいはないじゃろう、正直に言うてみい」

「お、おいやめろって」


 本音はいいぞもっとやれだが、ここは立場上言っておかないと。

 あ~つらい、これだからプリンセスナイトはつらいわ。


「ふぅ、まあこんなもんじゃろう」


 そう息をついて、手で額を拭うアムの顔は、家にあった謎の黒いフルフェイスマスクで覆われていた。

 

 身バレを防ぐためにつけたマスクと、おそらく人間にされる前に身に着けていたピチピチの服。


 仕組みは本人もよくわかっていないらしいが、魔族の寿命はいくらか長いため人間に換算するとそれぐらいの背格好になるのだろうとかなんとか。

 

 とにかく、今のアムの姿は見ようによっては完全なる女王様である。

 

 だが一体全体、なぜいきなりSMプレイを始めてしまったのかというと。


「完璧じゃ、これで魔族のふりをして聖女捕ったり、で城に入っていけば問題なかろうて」


 というのが女王様の案である。

 

 代案は思い浮かばなかったし、その案自体は悪くないのだが……絵面が非常に悪い。


 さらにアムは、豚野郎の持っていたフォーク状の武器と、鳥野郎から抜け落ちた羽根をあちこちに装着して、変装はバッチリ。

 これぞまさに魔の者。ガチで近寄りたくない人になった。

  

 で、肝心の俺は女王様の下僕よろしくブーメランパンツ一丁の全裸……というわけではなく、とある神スキルの効果で姿を消している。

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 スキル名 空気彼氏


 作成者  (空欄)


 概要


 彼女があまりにも美人すぎて僕の存在感がない。


 行く人行く人が、彼女のことばっかり見てるんだ……。


 みんなこのスキルで、僕の気持ちをわかち合おう。

 

 3000GP


 アクティブスキル

  

 ―――――――――――――――――――――


 いろいろと隠密行動スキルを探した結果、今使えそうなのがこれだった。

 

 このスキルは女の子と手を繋いでいないと発動しない。

 

 そして相手の女の子が可愛ければ可愛いほどスキルの効力は強まる。

 つまりこちらの存在感が弱まって、第三者に気づかれにくくなる。

 

 事実、レナと手を繋いだ俺の姿は、アムにはほとんど見えていないらしい。

 よく注意してみれば、うっすらとだけ透けて見える程度だとか。

 

 だがレナの縛られた腕と無理やり手を繋いでいるので、非常に動きにくい。

 

 アムと手をつなぐという手もあったが、縄と武器で両手が塞がっているし、そもそもあの見かけでまともにスキルが機能するかどうか。


 どの道レナの近くにいないとプリンセスナイトの力が発揮できないわけだから、このスキル、意外に今の状況にはおあつらえ向きかもしれない。


「んふふ、トウジの手、あったかいね」

 

 レナは縛られているというのに何か楽しそうだ。

 反面アムは俺達の繋がれた手を見て、気にくわなそうに鼻を鳴らす。


「ふん、すきあらばイチャつきおって……。さあ行くぞ、裏切り者に一発かましてやるんじゃ!」

 

 縛られながら俺と手をつなぐレナを、魔族に扮したアムが連行するという奇妙な形で、俺達は城に向かって出発した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ