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神スキルストアで楽々異世界ニート生活 ?  作者: 荒三水
一章

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43/87

真・聖光神烈斬

 ―――――――――――――――――――――

 

 スキル名 真・聖光神烈斬

 作成者  無念の神@マゾゲー好き 


 概要

 

 今回の無念な方は、神聖騎士のライオネルさんです。


 彼は一子相伝の神聖剣技秘奥義スキルを編み出しましたが、

 

 山に篭りすぎて誰かに教える前に死んじゃったらしいです。

 

 このままだと、せっかくのユニークスキルが永遠に失われてしまうらしいので、

 誰かに伝えて欲しいとのことです。


 僕もたまにはこういう慈善活動をするんですよ。

 他のスキルもぜひともよろしくお願いします。


 ダウンロード無料


 特殊条件あり 

 神聖騎士であること

 または、聖剣ディバイン・ハートを装備していること


 アクティブスキル

 クールタイム 神聖剣技スキルレベルに準ずる

 

 ―――――――――――――――――――――


 

 やっぱりあった。

 しかも無料じゃん。ラッキー。


 迷いなくスキルをダウンロード。

 発動すると、なんかびっしり文字がつまったダイアログがウィンドウ一面に表示された。

 

『どうか我が奥義を、後世に伝えて欲しい。思えば私が神聖騎士になってはや三十年……長い年月を私はひたすら……』


 長い。早送り。


 俺はウィンドウを思いっきりフリップして、ダーっと下にスクロールしていく。

 何か色々語りたいことがあるみたいだけど、正直どうでもいいっす。


『……聖剣を使うと威力が倍がけになって非常に危険なので、決して人に向けて使ってはならん。頼む……どうかこの奥義を誰かに……できれば私の名前も一緒に……あくまで私が編み出したということさりげなくアピールしつつ……』


 しつこいな、まだ言ってるよ。

 だがさすがの俺も、全部ガン無視するようなクズではない。

 要するにこの技を誰かに伝授すればいいんだろ?


 安心しなさい、俺がしっかりこの技をこの男に伝えてあげよう。

 実技でな。

 こういうものは、実際やってみて盗ませるものだろう。

 

 なんせ俺がコンビニバイトを始めた時も、入って初日にいちいち聞くなよ見て覚えろよって言われたからな。

 コンビニ店員に要求されることが神聖騎士様にできないわけがない。


 俺はさらに続く駄文をスクロールし、最後に表示された「以上の文に共感、同意したので次に進む」という部分をタッチする。

 

 するとようやく、「ここを押してスキル発動」の画面に進んだ。

 そこもタッチすると、「チャージタイムの後、発動します」との文字が。


 それと同時に、俺の聖剣が騎士の剣同様に激しい光を帯び始めた。

 ご丁寧に待ってくれていた騎士の男が、それを見てまたも目を見張る。


「むっ!? その光、まさか貴殿も奥義を……?」

「ふっ、その通り。見せてやろう、俺の編み出した究極奥義をな」


 これできっとライオンマルさんも浮かばれるだろう。

 あれ、名前これであってるっけ? まあいいや。

 

 チャージが終わり、後は剣を振り下ろすだけになった。

 向こうも光り輝く剣を上段に構えて、まさに一触即発。

 だがその時。

 

「やめてっ、二人ともっ!!」


 横合いから甲高い叫び声が飛んできた。

 思わず振り向くと、目に入ってきたのは、揺れるおっぱい……ではなく、また寝巻き同然の痴女みたいな格好をしたレナだった。


 必死になってこちらに駆けて来る。

 自力で逃げてきたのか? 別に事後とかそういうわけではなさそうだ。

 

「あっ、レナ……」


 と気づいた俺は、とっさに振り下ろそうとした剣を押しとどめる。

 なんかやめて、って聞こえたし、やめたほうがいいのかな。


「はああああっ!! 行くぞぉぉっ!! 聖光、神、烈、斬!!!」


 つうか向こうが全く止める気ねえし!

 それならと、俺も負けじと剣を振り下ろした。


 ――カッ!

 

 そしてお互いの剣から放たれた光が、激しい衝撃音とともに辺り一面を白く包んだ。

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