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神スキルストアで楽々異世界ニート生活 ?  作者: 荒三水
一章

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40/87

轟焔


 さてどこに反応が出るかな。

 塀の隙間から、建物全体を見渡す。


 ……ない。

 どこにも反応が起こらない。


 これは……つまり建物の中には、レナどころか、そもそも女性がいない。

 スキルの効果はすでに一度実証済みなので、間違いない。


 なるほど、これは罠だな。

 罠確定。

 

 さてどうするかな。

 乗り込んだところで、どこにもいないんじゃしょうがない。

 

 やっぱ帰ろうかな。

 正直館に忍び込んでレナ救出とかダルそうなイベントやりたくなかったのよね。

 

 このさらった女っていうのが、本当にレナのことなのかどうかも怪しくなってきたし。

 どっかそのへんで迷子になってるだけじゃないのかね。


 ただ、脅迫状みたいなのがイズナのシッポにくっついていたっていうのがねぇ。

 仕方ない、気は進まないが……。

 

 一度細い路地を引き返し、廃館正面の道まで戻る。

 そして今度はそのまままっすぐ館の敷地内へ進み、入り口に座り込む二人組に近づいていく。

 相手がこちらに気づくと、極力腰を低くしながら、声をかける。

 

「ども、おつかれさまです」


 すぐさまギロリと二人の鋭い視線が飛んでくる。


「なんだぁ? 見かけねえ顔だな、新入りか?」

「うっす、新入りっす」


 チンピラ風の二人は、立ち上がって品定めするようにじろじろ俺を眺めてくる。


 最悪の場合、一応逃げるスキルは用意してあるが、至近距離でガン飛ばされるのはあまり居心地のいいものじゃないな。


「また新入りかよ。最近人が増えてんのはいいが、どうも質が落ちてきてんだよな。この前の奴なんざ、入って早々ヘマやらかしてお縄だったしな」

「はは、グズっすね~」

「なんだ、てめえずいぶん余裕ぶってやがるな? ところでそれ、なにぶら下げてんだ? 剣か? ちょっと見せてみろよ」

「いやぁ、これはただのゴミっすよゴミ」

「いいから見せろや。モノによっちゃオレが預かっといてやるからよ」

 

 ざけんな、聖剣は俺のだぞ。

 国の依頼? ああ、そんなもんもあったかな。


「いやもう、見せるのも恥ずかしいんで、ははは……。ところで、さらった女って今どうなってるんですかね?」

「さらった女? そんな話聞いてねえぞ」

「あれ? おかしいなぁ。中に誰か、知ってる人いないっすか?」

「はあ? 今出払ってて誰もいねえよ。だからオレらがわざわざこうやって見張ってんだろうが」


 うーん、やっぱ違うみたいだな。

 こいつらが知らないだけっていう可能性もあるが、どの道他に誰もいないみたいだし。


 にしてもバカの集まりでよかった。

 いきなり合言葉を言えとか言われたら即おさらばするつもりだったんだけど、聞いてもいないのに内部情報をぺらぺらと。

 

 これだけ確認できたらもういいや。


「了解っす。他当たりますんで、じゃ、しつれーしまーっす」

「おい待てや」


 踵を返そうとすると、やや強めに肩をつかまれた。

 やっぱ、何事もなくってワケにはいかないか。

 怪しまれるよなぁどう考えても。

 

「なんすか? ちょっと、急いでるんですけど」

「おいおい、いきなり反抗的じゃねえか。先輩の言うことはよく聞くもんだぜ? こっちはちょうどヒマ持て余してたんだよ、もうちょっと付き合えや」

「そうそう、このオレがお前をよ、これからちょっくら審査してやっからよ。まあ入団試験、みてえなもんだよヒャハハ」


 と思ったが別にスパイだとかって疑われているわけではないらしい。

 だがこれはこれでめんどくさい。


「はあ、審査って?」

「なぁに、そう構えるこたぁねえって。お前はそのままそこに、立ってりゃいい。よしそのまま、そのまま、動くな、動くなよ~?」


 片方の男がそう言って、俺の全身を眺めながら、しきりに目を凝らし始めた。

 透視でもするつもりか? やだ変態。


「おい、どうだわかったか? どんなもんだコイツ?」

「ぶっ、ぶははははっ!!」


 じっと俺のことを見ていた男が、急にこっちを指を差しながら笑い出した。

 人を見て笑うなんて、失礼な奴だ。


「おいおい、カンベンしてくれよ、コイツ無職だよ、しかもレベル8。ひでえなこりゃ、ぎゃはははは!!」

「マジかよ? なんじゃそりゃ、笑いごとじゃねーぞ」


 どうやらステータスか何かを見られたようだ。

 アイツ、見破り的なスキルを持ってたのかな。

 

 一人はバカ笑いしているが、もう一人は多少頭が回るらしい。

 すぐに顔を曇らせて、詰め寄ってきた。


「おいお前、本当にツェガロさんに話通ってんのか? いくらあの人だって、そんなザコを仲間に入れるなんざ、あり得ねえ話だ。お前、フカシこいてんじゃねえだろうな?」


 やっと気づいたかバカめ。

 だけどこうなると、どこまで口先でうまくかわせるか試してみたくなる。


「いやぁ違うんですよ。たしかにレベルは低いかも知れないっすけど、自分にはちょっとしたスキル、がありまして。それをツェガロさんに認められたんす」

「あぁん? なんか面白えユニークスキル持ちってことか? なら見せてみろ」


 腰にぶら下げた短剣に手をかけながら、催促してくる。 

 もうはなから疑ってかかるような口調だ。


「ちっとばかし待ってくださいねー」

 

 ではご要望に答えて見せてやるとするか。

 俺はずっと開きっぱなしにしてあるウィンドウから、ここに来るまでに探し当てていたスキルの画面を呼び出す。


 ―――――――――――――――――――――

 

 スキル名 轟焔

 作成者  火神カグツチ

 

 概要

 しばしの休息に入る間、

 我が力の片鱗を、倭人へ提供する……。

 


 1000GP(対象者限定特別価格)

 

 

 使用期間制限あり

 アクティブスキル

 クールタイム30分

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 

 新着スキル一覧を適当に漁ってたら見つけたんだよね。

 これ試してみたかったんだよなー。

 作成者がちゃんとした神っぽいから、期待できそう。

 

「おいまだかよ、早くしろよ! どうせたいしたことねえんだろ?」

「お前、ウソだったらマジ殺すぞ?」

 

 どうやらお兄さん方、そろそろ待ちきれなくなってるみたいだ。

 思いっきりいきり立っちゃって、ヤダー怖い。

 あんまり引っ張って殺されたらかなわんし、さらっと落として発動しよう。


 俺はスキルをラーニングすると、そのまますぐに発動した。

 

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