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魔物鑑定

―――――――――――――――――――――


 スキル名 神転生

 作成者 超越神エクシードゼウス


 概要

 やったね。神になれるよ。

 これでキミも神の仲間入り。

 

 1000000000000GP

 

 シークレットスキル


 ―――――――――――――――――――――

 

 ……あった。


 な、なんじゃこりゃ……!?

 神転生……? 神になれるのか?

 

 こ、これは……これこそ長年俺が求めていたものなのでは……。

 完全ストレスフリーな空間で、究極のニート生活……。

 うーんなりたい。今すごく神になりたい。


 だがこのGPのケタは……ひい、ふう、みい……。

 一兆ポイント。

 とんでもない数値だ。夢はあるが、こんだけためるのはどうもムリゲーっぽい。

 

 けどスキルってこういうのもあるのか。

 ってことはもしかすると……。


 俺は『ハーレム モテモテ』で検索をした。


 ―――――――――――――――――――――


 スキル名 ハーレム王属性

 作成者 ヤブキ神

 

 概要

 

 扉を開ければ着替えシーン。

 石につまづけば股間に顔をうずめる。

 歩くラッキースケベ生産機。

 気がつけばあなたの周りには美少女ハーレムが。


 1000000GP

 

 パッシブスキル

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 

 うわなんやこれ、めっちゃ欲しい。

 百万GPか、くそ、これも高すぎる。

 

 他にもそれ系のものはゴロゴロ出てきた。

 ブサイクな僕にも彼女が出来た! ついでに宝くじも大当り! 毎晩別の子とベッドイン! だとか。

 どれもどこぞのうさんくさい開運グッズの広告みたいなのばかりだが、本当に効果があるんだろうか?


 どの道、どれも必要GPが高すぎて買えない。

 なんとかいけそうなのとなると……。

 

 ―――――――――――――――――――――


 スキル名 雰囲気イケメン

 作成者 チャラ神イケメソ


 概要

 

 心なしかイケメンに見えちゃったり?

 顔面偏差値プラス10の補正とか、マジヤバくね?

   

 8000GP

 パッシブスキル

 

 ―――――――――――――――――――――



 まあ僕イケメンですけどね。

 百歩ゆずって中の上はあると思いますけどね。

 ホントはこんなスキル必要ないんですけどね。

  

 ……めっちゃ早口で言ってそうとか、そういう突っ込みはなしだ。

 俺がいい年こいて童貞なのも、いわばモテるかモテないかの瀬戸際、

 ちょうどギリギリのラインの顔面なのだと常々思っていた。

 

 だがこれがあればそのラインを超えられる。

 まさに俺におあつらえ向きのスキル、というわけだ。

 あとは俺の純粋な中身、人間的魅力というもので楽々モテモテになれるはず。

 

 

 よし、ダウンロード、と……。

 スキルが発動になったぞ。

 これで俺もイケメンの仲間入りだぜ。

 


 ……はっ。

 

 しまった。ついいつもスマホアプリを落とすノリでポチってしまった。

 こんなノリでGPを使ってしまってよかったのだろうか?

 GPって、実際どんなふうに、どのぐらい手に入るのか未知数だし……。


 まあでも、やってみたら割と簡単にたまるのかもしれない。

 なんとかなるだろ。

 ダメならダメで、まあいっか。最悪、また死ぬだけだし。


 そう俺が気を持ち直すと、少し離れた場所から、ガサガサ、と草の擦れる音がした。

 音のした方を振り向くと、雑然と生い茂った緑の中に、怪しいどす黒い緑の影が……。

 はげ上がった頭に、ぎょろりと見開かれた目。手には棍棒。

 

 あれは、ゲームでもよーく見覚えがある。

 ゴブリンだ。背丈は173の俺より一回り小さい程度。


 こうやって現物を見ると結構キモいな……。


 そんな感想を抱けるぐらいには俺は冷静だった。

 まあ異世界に来た直後に、魔物と遭遇するって言うのはお約束だ。

 

 それと一回死んで度胸がついたのかもしれない。

 コンビニに強盗が入ってきた時のほうがはるかにビビったし。


 さてどうしたものか。 

 向こうはこっちに気づいていないようだし、まずは鑑定スキル的なもので様子を見よう。

  

 俺は『魔物 鑑定』で検索をする。

 

  

 ―――――――――――――――――――――

 

 スキル名 丸安印の魔物鑑定

 作成者 安かろう悪かろう神

 

 概要

 毎度おなじみ、お手軽GPがウリの丸安印のスキルだよ。

 細かいステータスは見られないけど、これで必要十分。

 贅沢は敵です。

  

 GP 300

 

 アクティブスキル

 クールタイム20秒

 

 ――――――――――――――――――――― 



 なんかGP安い。

 見破りなんてどれも一緒だろうし、とりあえずこれでいいや。

 

 スキルを入手。

 すぐに発動すると、スマホの画面がカメラに切り替わった。

 画面はじに、鑑定対象を中央に捉えてくださいとの表示。

 

 なんだこれ手動かよ、めんどくさっ……。

 スマホを動かしてなんとか魔物をカメラに捕らえると、新しいウィンドウが開き、文字が表示された。



 ゴブリン


 レベル 3

 HP 120/120

 MP 0/0




 やはりゴブリンか。

 HPMPしか見られないのはちょっと味気ないな。

 にしてもこれ、ゲーム的なファンタジー世界とは聞いていたけど、思いっきりゲームだな。


 MP0ってことは、いきなり魔法とかは使ってこないだろう。

 そもそもこの世界、どんな魔法が存在するのか知らんけど。

 

 のしのしと歩くゴブリンの動向をうかがっていると、どこからか甲高い声が飛んできた。


「――危なぁぁあいっ!!」

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