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神スキルストアで楽々異世界ニート生活 ?  作者: 荒三水
一章

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21/87

ステータス

 ―――――――――――――――――――――

    

 クエスト(受注0)

 

 ステータス


 スキル


 ギルドマネー


 戦績

 

 ――――――――――――――――――――― 

 

「なんだこれ」

「そのステータスっていうところを指で触ってみて」


 レナに言われるままに、文字に触れる。

 すると全部の文字が一度消えて、再び新しく文字と数字が浮かびあがった。


 ―――――――――――――――――――――


 ミシマ・トウジ

 

 冒険者ランク F

 

 ジョブ フリー

 レベル 8

  

 HP 240/240

 MP 0/0

 

 筋力 33

 体力 31

 敏捷 30

 知力 41

 運  12


 ―――――――――――――――――――――


「なんか、ふつーだね……」


 レナも絶句するこの平凡っぷり。

 比較対象がないので実際どうなのかわからないが、いわゆる普通、なんだろう。

 

 だがレベル8、ということは、これはひっそりレベルが上がっていたようだ。

 レベルアップして盛大にファンファーレが鳴る、とかそういう演出は当然ないらしい。


「レナのも見せてよ」

「わ、私の? 私のはだめ!」

「なんで」

「は、恥ずかしいから!」


 ……恥ずかしいだぁ? 

 ほぼ全裸を見られたときにもそんな勢いで言わなかったくせに。


 だがここであんまりしつこく「見せろよ」「恥ずかしい!」なんてやってると、

 変なプレイをしているのかと白い目で見られる怖れがある。


 レナの容姿はただでさえ目を引きそうだからな。

 とりあえずはさっさと説明を聞くことにするか。


 俺は先ほど職員に言われたとおり、三番の窓口へと向かう。

 カウンターの前に立つなり、向かい側から明るい声が飛んできた。


「こんにちは~。ミシマトウジさんですね。私、新規登録者の案内役兼、適職案内係のエミリと言います。よろしくお願いしますね~」

 

 笑顔で小首を傾けるお姉さん。

 くるくると内巻きになった長い髪が特徴的だ。


 そして、巨乳。レナのさらに上を行く巨乳。

 お約束の巨乳受付嬢はこっちにいたのか。


 俺はおっぱいに向かって挨拶を返した。 


「こちらこそよろしくお願いします」

「ではでは、さっそくご説明を始めさせてもらいましょうか」

 

 しかしそんな軽いノリで、本当に大丈夫なのか? 

 けしからん乳してからに、きちんと仕事はできるんだろうな。

 

「じゃ、まずはカードを出してもらって……、あらぁ、キレイな彼女さん連れてるんですねぇ。うらやまし」


 これは有能。すでに有能。

 隙あらば説教かましてくるハロワのおっさんとは大違いだ。


「えっ、いやそのっ、私たち、そういうのじゃないんです」


 となりでレナがあたふたと手を振ってごまかそうとする。

 ここまでお約束。

 とはいえ少し期待してしまった自分もいる。


「彼は、私の運命の人ですから」

「ぶっ!!」


 思わず吹いてしまった。

 てっきり否定するのかと思いきや何を言い出すか。


「ふぅ~ん、運命の人、ですか……」


 エミリーはなにをノロケとるか、と言わんばかりに、ジトっとした視線を送ってくる。

 

「あ、いや、これは……」


 俺はレナに訂正を求めて視線を送るが、意思の疎通がうまくいかない。


 その「きゃっ、言っちゃった恥ずかしい」みたいなのやめてくれ。

 言うだけ言って一人で満足するのはいいが、この空気どうすんだと。


 そんな俺たちを見て、エミリーはふっ、と鼻で笑った後、(ちょっと怖い)

 わざとらしくにこっと営業スマイルを作って話し始めた。

 

「そのカード、管理は自己責任でお願いしますね。本人が触らないと反応しないので、そうそう悪用はされないと思いますけど。なくした場合は、発行したギルドに届け出てください。再発行にはお金がかかります。はい、ここまで質問ありますかー?」

「今のところは、ないっすけど……」

「じゃあこれで説明終わりです」

「えっ、終わり? 使い方は?」

「だって口で言うより実際使ってみたほうが早いですし。スキル習得と、お金のチャージなんかもできますけど、詳しいことは冊子渡しますんで、後で見といてくださいね」


 そう言って、エミリは『冒険者カード取り扱い』と書かれた冊子を押し付けてくる。

 

「ちょっと待った、実際に仕事とかってどうするんだよ」

「それは、あっちの掲示板とかで探して、受付でクエスト受けて、仕事して、報告して、報酬もらってって感じです」


 まあ、なんとなくわかるっちゃわかるが……。

 雑な説明。なんかやっぱ機嫌を損ねたか?


 これで終了、とばかりにさっさと追い払われるのかと思いきや、

 エミリはぐっと身を乗り出してきた。


「そんなことより、適職診断!」

「はい?」

「もちろんしていきますよね! 最初のジョブ選びは重要ですよ? ここでコケると、今後の冒険者生活に大きく差が出ます! だからするしかないですよね! しましょうしましょう!」


 急にハイテンションになるエミリ。

 やたら勧めてくるが、それが逆に怪しいような……。


 どうすんだこれ? とレナの顔をうかがうと、ニコっと微笑み返してきた。


「やってみたらいいじゃないかな。私は、トウジの適職はナイトしかないと思うけど」


 まだそのナイトうんぬんはあきらめていないらしい。

 まあ診断だけなら、してもらってみても損はないか。


「いいっすけど、もしかして金取る系ですか?」

「なにをおっしゃいますかぁ、無料に決まってるでしょう! そのカードでステータスと、スキルを見せてさえもらえば、あなたにふさわしい職業をズバリご案内します!」

「へえ……。でもこういうのって、あんまり人に見せないほうがいいんじゃないのかね」

「大丈夫です! 業務上知りえた情報は、いかなる場合でも外部に漏らしたりはしません」


 さすがにその辺はしっかりしてるのか。

 ここであんまり疑ってかかってもしょうがないし、タダならやってもらったほうがいいだろう。

 

 俺はステータスを表示してカードを渡した。


「はい、お預かりしまぁす。……ふぅん、しょうもないステータスですね」

「おいこら」


 ナチュラルにディスるのやめろ。

 一応こっちは客のはずだろ。


「さて、お楽しみのユニークスキルはっと。……あっ、こ、これは……っ!?」

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