初級武具鑑定
初級武具鑑定を発動。
するとウィンドウには
「対象なし」
と表示された。
どうやら手に持たないと鑑定できないらしい。
手にとって、改めてスキル発動。
今度は鑑定成功。
ずらっと文字が並んだ。
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セイクレッド・メイル(+5)
種別 全身鎧
ランクA(A+)
防御力 455
物理ダメージ軽減20%
火水風土属性軽減25%
聖属性吸収50%
闇属性軽減50%
毒無効
HP自然回復(小)
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ランクA、いやAプラス?
()内は強化されているということか?
いまいちわからないが、いろんな効果もついていてかなり強そうな感じ……。
しかし防御力455ってどのぐらいなのかわからん。
試しにさっきまで着ていた自分のTシャツを鑑定してみた。
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品名該当なし
種別 服
ランクF
防御力 3
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3て。
ってことはあの鎧は、Tシャツを150枚ぐらい重ね着した強さってことか?
いや、そんな単純なわけでもないか。
もしやとは思ったが、やっぱガチでお強い防具のようだ。
しかしなんだってそんなものを? 案外金持ち貴族なのかもしれないな。
それか標準的な冒険者の防具とやらが、このぐらいなのかね?
あれこれと考えていると、ガチャっと部屋の扉が開いた。
「お待たせ~」
やっとレナが風呂から戻ってきた。
全裸だった。
「って、な、なんで裸なんだよ!」
「え? あっ……そうだった、いつものクセで……」
どういうクセだよ。裸族かよ。
普段どんな生活してんだ。
体をぬぐう用の大きな布である程度隠れてはいるが、紛れもない全裸。
つーかここまでそんな格好で来たのか?
とんでもない痴女じゃないか。
「ていうか、着てった服は?」
「置いてきちゃった」
「置いてきたって……いやいや、それはいかんでしょ。大体、人に見られて恥ずかしくないのか?」
「うん、別に……」
マジか?
もしや風呂上りは全裸徘徊当たり前の世界観?
ならこうやって目をそむけるのは失礼だな。うん。
俺は郷に入っては郷に従えとばかりに、レナの裸をガン見する。
大きく膨らんだ乳房から、くびれた腰のライン。
局部こそ布で隠れてはいるものの、これは非常に刺激が強い。
ありがたや、と思わず合掌しそうになっていると、
レナが小さく腰をくねらせた。
「やっぱり、なんか、恥ずかしくなってきたかも……」
「ん?」
「よく考えたら、男の人からそんな風に見られるの、初めてだし……や、やっぱり見ないで」
見る見るうちにレナの顔が赤く染まっていく。
肌が白い分、余計に変化がわかりやすい。
「あ、えっと、何か着るものは……」
そう言われてとっさに手元のシャツを渡しかける。
そのおっぱいの上から直でTシャツ?
すごく、いいと思います。
とその時、ガタガタと頭上から音がしたかと思うと、
ガラっといきなり窓が開いて、黒い影が中に飛び込んできた。
「失礼します」
現れたのは、例のイズナという忍者ルックの少女だった。
抱えた風呂敷を解いて、取り出した衣服をレナに手渡す。
「レナさま、これをどうぞ。あたためておきました」
いやそういうのいらないだろ。
別に寒いって言うわけでもないし、むしろ温まってるのって逆に気持ち悪くないか?
「わあ、ありがとうイズナ」
きっとこれがよくないんだと思う。
ダメなことはダメと、しっかり言わないから。
イズナは俺のほうをキっとひと睨みすると、手にした風呂敷をばっと広げた。
そしてレナの体を隠すように、俺の前に立ちふさがる。
はいはい、信用がないなぁ。
俺は自主的に回れ右をして、レナが着替えるのを待った。
「もういいよイズナ」
レナはピンク色のワンピース型のネグリジェ姿になっていた。
これはこれでエロい。
寝間着って、パンツとかもちゃんと履いてるのかな?
まさか履いてない……。
などとよからぬ妄想をしていると、イズナがいきなりでかい声を出した。
「レナさま、それよりもキケンです!」
「なあに?」
「何かこの男、さっきレナ様の鎧をくんかくんかしてました!」
思いっきり指をさされている。
鑑定するために鎧を手に取りはしたが、匂いをかいだ覚えはない。
「えっと、匂いをかいでどうするの?」
「それはもちろん、シコるんですよレナさま」
「おいこら」
シコる言うな。
このままあらぬ嫌疑をかけられたらたまったもんじゃない。
「ちょっと待て、あんた、いきなり出てきてなんなんだ」
「いきなりではない。一部始終、見させてもらったぞ」
なんだ? もしかしてずっと窓の外から見てたのか?
だとするとちょっと厄介……。
「あの、トウジ? しこる、って?」
「だからそれはいいって!」
「ご、ごめんね? 知らなくて……。怒らないで、私ちゃんと勉強するから……」
しなくていいしなくていい。
そういう風にされると非常にやりづらい。
「それだけじゃないです。この男、一人で幼女が、ぱんつが、とかぶつぶつ言ってました」
「ち、違う、それは誤解だ。それに断じて一人ではない」
「やっぱりキケンです、大人数で幼女のぱんつがとか言ってたみたいです」
「それは怖いわ」
ムツノの声はどうやら俺にしか聞こえていなかったか。
やはり見られていたらしい。
危ない危ない、本当にいかがわしいことしなくてよかった。
「ええいうるさいうるさい! レナさまから離れろこのヘンタイめ! レナさま、ここは任せてお逃げください!」
「いや、もう十分離れてんだけど……」
こっからどこに逃げるんだよ。
あと、ちょくちょくその私頑張ってますみたいなドヤ顔をはさむのやめろ。
一人勝手にヒートアップするイズナ。
その時、イズナの頭頂部から、二つの猫の耳のようなものがぴょこっと生えた。




