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神スキルストアで楽々異世界ニート生活 ?  作者: 荒三水
一章

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13/87

脱がしたった


 レナが鎧を脱ぐのを手伝う。

 鎧と言ってもそれらしいのは肩アーマーに手甲、具足ぐらい。


 肝心のそこ守らなきゃいかんだろうという部分、

 胸元と股間は薄い布という謎仕様。

 もう本当に、ナニする用のコスプレなんじゃないかと疑ってしまう。

 

 しかしこんな細い体で、よく色々身につけたままいられるな。

 絶対選択ミスだろ。

 大体なんで戦士っぽいのを選んだのかわからん。

 出会ったときから武器らしきものは持っていなかったし。


「さいしょ剣を持ってたんだけど、森の中に落っことしてきちゃった」


 などとのたまっているが……大丈夫か?



 

「ねえこれ取って~。取れなくなっちゃった」


 レナが無造作に腕をつきだし、手をぶらぶらさせる。

 思わぬエロイベントだというのに、全く雰囲気がない。

 まるで子供がふざけてたら取れなくなっちゃったみたいな……。


 俺はしかたなく、「自分じゃ恥ずかしくて脱げないの。ねえ……脱がせて?」

 とレナのセリフを勝手にエロく脳内変換をして、手甲を外す。


 あれっ、軽い……。


 手甲に限らず、すべての防具が軽かった。


 手触りや見た目は金属っぽくて頑丈そうだが、手にしてみると重さがほとんどない。

 実際、軽く指で叩いてみても、コンコンと堅い反応が返ってきた。

 

「なんだこれ、なんか気持ち悪いな。魔法金属とか、そういう感じのやつ?」

「んー、さあ?」


 レナは一緒になって首をかしげる。

 なんで知らないんだよ……。

 

 やがて俺はレナの鎧を一通り脱がし終わった。脱がしたった。

 アーマー部分を全て取っ払うと、レナは薄布の白いワンピース姿になっていた。


 胸元、膝元、すべてにおいてきわどい。

 女の子が徐々に脱いでいくみたいな、ちょっとエッチなゲームだったら、これでクリアのレベルだ。

 俺がある種の達成感を感じていると、レナがにこりと笑いかけてくる。


「ありがと」


 こちらこそありがとうございます。

 正直たまらんです。


 しかしなんていうか、どこか物足りないような。

 それは何かって言うと、全然恥じらいがねえ。

 ほとんど裸に近い格好をしているというのに、その堂々とした態度はなんだ。

 

 こうなると逆にこっちが恥ずかしくなってくる。

 見たことがないほど、白い肌だ。

 手足はすらりと細く長く、だが胸やお尻、出るところはしっかり出ている。


 胸の谷間、ふともも、腰のくびれ……。

 どうやっても気になってしまい落ち着かない。

 

 俺は目線をあさってほうに泳がせつつ、それた話を元に戻すことにした。


「そ、そういえば、さっきナイトがうんぬん、って言ってたけど、あれはなんなの?」

「あっ、ご、ごめんなさい、さっきは勝手なこと言っちゃって……。やっぱりその、嫌、だよね……」

「いきなり言われてもね……。よくわかってないし」


 何よりなんかめんどくさそうだし。

 まあ夜のナイト(意味深)っていうんなら二つ返事でOKなんだが。


「そ、そうだよね、ごめんね……。ち、違うの、このままだとお別れになっちゃうなって思って……。だからナイトっていうのは、その、建前で……。あ、いやホントはなって欲しいんだけど……う、ううんごめん、やっぱり忘れて、さっきの話」


 レナはさっきとはうってかわって、やたら弱気だ。

 まあセバスと言い争っていて、少しムキになっている感じはあったけど。


 レナはうつむいて何やら思案している風だったが、やがて顔を上げた。


「私、わがままじゃないから。どっちかっていうと、その、つくすタイプだし、男の人を立てるし……」


 なんだその唐突な女の子アピールは。


 勝手に人の腕引っ張ったり、スマホ見せて見せてとか、これ取って~とかやってたくせに、どの口が言うか。

 まあ唯一、男を立てるタイプというのは同意しよう。いろんな意味で。


 一瞬これはツッコミ待ちなのか? とも思ったが、話が進まなくなるので流した。


「……そ、そう。ナイトはまあいいや。で、レナが冒険者、っていうのはわかったけど、セバスって何者?」

「え? え~っと、セバスは、おじいちゃん……」

「いや、セバスがおじいちゃんなのは見ればわかるから」

「あっ、う……そ、そうだよねぇ、あはは~……」

 

 笑ってごまかそうとしているぞ……。

 

 やっぱり色々おかしいんだよなぁ、大体冒険者にナイトがいるのか?

 自分がナイトみたいな格好してるくせに。


 素性を明かさないところを見ると、なんとなく話したくないんだろうな、という雰囲気は伝わってくる。

 なぜかは知らないけど、これまでの様子から察するに……。

 

 おそらく、田舎の貧乏貴族のおてんば娘、みたいな。

 それが勢い余って冒険者になっちゃいました、とかそんな感じだろう。

 我ながらしっくりくる。 


 まあこっちも、転生うんぬんは話していないわけだし、お互い様か。

 俺のほうは話したところで、って感じだけど。


「あと、あのちょくちょく出てくるちびっ子は」

「イズナのこと? かわいいでしょ?」


 天然なのか、わざとなのか。

 またすぐこうやって話がそれていく。

 

「いや違くてさ……」

「あ、ここね、お風呂あるんだって。トウジも入るでしょ? 一緒に行こっか」


 うん、そらしていこう。

 どんどんそらしていこう。

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