2話
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若干の浮遊感の最中。目を開けると、私は暗闇の中に立っていた。
目の前には半透明の板が浮かび、その後ろでは私のアバターが作り物の無機質な表情を浮かべている。
……いや、本物もさして変わらないか。
さて、事前に見た説明書によると、ここは『アバター作成』の部屋らしい。
容姿や種族なんかを決めるらしいけど、容姿はそんな気は使わないし、そのままで良いかな。多少はゲームの雰囲気に合わせてデフォルメされるようだし。
名前は……うん、アイナでいい。
問題は種族だけど、これはWikiを見てある。
選択でも選ぶことはできるけど、ランダムだとレア種族? というのが出るらしい。
因みに、選択で選べる種族を大きく分けてまとめると、こう。
『人間』…全体的に平均的に成長するが、スキル習得スピードは上がる。手先も器用で、生産プレイヤーは大体これ。
初期能力は、F~E。
『獣人』…基本的に脳筋タイプ。魔法は一切使えず、知力も低いが、比較的高い筋力と精神力、体力を持っている。
大体は重戦士タイプに育つが、兎型や、猫型の獣人は俊敏に長けていて、軽戦士に育つ。
初期能力は種族による。
『妖精』…魔法特化、又はシーフタイプ。
エルフ系は、筋力はあまりり育たないが、技量、俊敏、適応力が高く、感覚も鋭い特徴がある。
シルフやドリアード、サラマンダー等は、正に純魔法タイプ。
これまた初期能力は疎ら。
『魔人』…遊撃タイプ。特徴として、肌が薄紫で髪が白。魔法も剣技も得意。
しかし、運が皆無。ほぼ百パーセントの確率で、Gランク。
デメリットは多いけど、結構人気らしい。
──というところだろうか。
そういえば、初期装備も選択できるが選べるのはノーマル (武器にはレア度があり、標準は下から二番目)のみ。
私はよく分からないので、勿論どっちもランダムだけど。
……選ぶのが面倒という訳じゃ無いよ?
──それはともかく、だ。
私は、アバターの前に浮いている半透明の板の一項、『ランダム選択』を迷いなくタッチした。
その瞬間、私の視界が暗転する。
……あ、ランダム選択すると、アバター作成強制終了するの、忘れてた。
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