22話
短いので、もう一話投稿します(多分)
「ここここ。ここが今日攻略予定の『大霊峰』だよ」
そこまでの難易度ではない。そう言われて安心しながらついていった結果、これだ。
『大霊峰』……現在発見されているダンジョンの中で、『神域』に次ぐ難度を誇る超難度ダンジョン。敵とのエンカウント率は低めだが、各ダンジョンの中ボスに位置するモンスターが雑魚モンスターとして出てくる(wiki参照)
これ↑のどこが大した難易度じゃないんだろうか。
「ハルナさん、頭打ちましたか?」
「こ、これは無理ですよ。攻略組でも、三割も進んでないんですから」
「だいじょーぶだいじょーぶ。前も来たけど、大体一撃でキルできたから」
「……SSランカーは言うことが違うね。僕ら要らなくないですか?」
「そんなことないよ。私持久力低めだから、連戦とか、数体同時に来られたりするのはきついし。レベル上げのチャンスだと思ってさ、やろ」
「まぁ……頑張りますけど」
こうなったら、腹を括るか。
私たちは『大霊峰』の頂上目指し、歩き始めた。
十分後
「よいしょっ」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」
「テンパリすぎ」
さすがのエンカウント率の低さで、攻略開始から五分ほどは、全く敵と出会わなかった。
しかし、全体の二割を過ぎた辺りで急に敵が出てくるようになったのだ。それでも普通のダンジョンよりはだいぶ少ないが。
現在、『火山』ダンジョン中層に居る中ボス『溶鉄亜人』と交戦中。
「いや、あのマグマの飛沫に当たっただけで俺即死だよ? そりゃテンパるわ!」
「避けてヘイト集めてれば、ハルナさんが一撃で倒してくれるから」
「『地砕斬』」
今まで力を溜めていたハルナさんが、上段に構えた剣を降り下ろした。
あれは確か、『特大剣』専用スキルの『地砕斬』だったかな。
『特大剣スキルlv3』で覚えられる単発高威力スキルだ。
「ぶおっ……おおぉ……」
その一撃で、『溶鉄亜人』はあっけなくHPを0にし、その体を溶かしていく。
経験値を1005獲得しました。
レベルが26→28になりました。
うわぁ……私倒してないのにこれかぁ。確かに、これ続ければ百レベル位すぐにいくわ。
にしても、黒竜人である私で2レベルも上がったとなると、鈴崎君やミミルさんは5レベル近く上がったんじゃないかな。
「この調子なら、良いところまで行けそうですね」
「甘い、甘いよユーキ君。確かに皆レベルのわりに上手いけど、3割近く登るとここの『中ボス』が出てくるんだよ」
「……中ボスが雑魚敵で出てくる『大霊峰』の中ボスって……」
……考えたくないなぁ。
「うん、キツいと思う。だから、今のうちにレベル上げよー!」
いや、無理矢理過ぎるって。テンション上がるわけないよ。
「いや、えっと……おー?」
「が、頑張りましょう」
「……はぁ」
まぁ、ほどほどに頑張ろう……
なんだろう、ハルナさんが主人公に見えてきた……