18話
段々と完結に近づいていきますねぇ。まだつづきますけど!
三層の攻略を終えた後、私たちはリーディの街の喫茶店へ移動した。
主にドロップ品の分配の為だ。
「こ、これで全部……ですよね」
なんとなく予感はしていたが、やはり並べてもよくわからない。
特に、このワカメみたいなの何?
「今回は、良いものばかりでしたねっ」
「う、うん」
それより、このワカメみたいなの何?
「あっ、付加藻だ。これかなりレアなんですよ」
「……このワカメみたいなのが?」
「はい。これを強化の時に渡すと、特殊能力が1つ付加されるんですよ」
「これが……」
確かにすごいアイテムだけど、はっきり言っていらないし触りたくないよ。
「これ、あげるよ」
「えっ? ホントですか?」
「うん……」
「わっ、ありがとうございます」
そう言って、ミミルさんは付加藻を掴み上げ、インベントリに放り込んだ。
うわっ。よくあれ触れるなぁ。
それから、私はちょくちょく出てくる『黒鉄』と防具の強化素材だけを受け取り、残りは全てミミルさんにあげた。
「アイナさんは、ホントに『黒鉄』だけで良いんですか?」
「うん。特に欲しいの無かったし、参加できたのミミルさんのおかげだしね」
「いや、それだったら私もですし……」
「良いから」
私は、未だに遠慮するミミルさんを押しきり、インベントリにアイテムを押し込んだ。
少しだけミミルさんと話し合い、現実の時計が11時を回っているのが目に入る。
そろそろ、お昼ご飯作らないと。
「じゃ、私ログアウトするね。今日はありがと」
「あ、こちらこそ、ありがとうございました。あの……」
そこで彼女は、手慣れた様子でメニューを操作し始めた。
最後に、指でウィンドウをタッチすると、今度は私の眼前にウィンドウが現れ、一瞬のけ反ってしまった。
ミミルからフレンド申請が届いています。
yes or no
「よっ、よろしく、お願いしますっ」
ミミルさんが、つっかえながら口にする。やはり、こういうやり取りは苦手なタイプらしい。
まぁ、別に悩むことではないんだけど。
私は、迷わずyesを押した。
現実にこんな機能があったなら、確実に拒否するだろうなぁ。と思いつつ、私のフレンド一覧に、mimilという名前が追加されるのを見ていた。
さりげなく、フレンド一覧にhalnaがあったのは気にしないよ。
「……あ、ありがとうございますっ」
「どういたしまして。って、そんな大したことじゃないと思うけど」
「た、大したことです! 私にとってはっ」
私もこんな感じだったから、人のこと言えないんだけどね。
「じゃあ、改めて」
「はい!ありがとうございました」
やけに耳に心地いい声を聞きながら、私はログアウトボタンを押した。