17話
ヤヴァイよ。筆が進まないよ。
ダンジョン攻略はおまけなのでサクッと終わらせまーす。
「アイナさんっ」
朱色の髪の少女ーミミルさんが、妨害魔法で動きを止めている間に、私がダメージを与える。
そうして、少しずつ削っていった敵モンスターのHPがついにゼロになり、無数の粒子へと姿を変えていく。
経験値を50獲得しました。
レベルが13→14になりました。
「ふぅ……」
戦闘が一段落し、1つ息を吐いた。
レベルの上がりが急に悪くなったなぁ、と思いつつ、ミミルさんへ目を向ける。
あの後、誘いは一応受けたんだけど……あの子の意外な迫力にビックリした。
最早執念だよ、あれは。
まぁ、私としても不都合はないし良いんだけど。
それにあの子、妙に親近感わくし。
さっきの会話から考えるにも、私と同類なのかもしれない……それは失礼か。
「お疲れ様です、アイナさん」
「うん、お疲れ」
武器である大杖を背中にしまいながら、ミミルさんが駆け寄ってくる。
最初は私も敬語を使っていたのだけど、彼女自身が嫌がったのと、なんとなく年下っぽい彼女に敬語を使うのに、私がちょっと違和感を覚えたのもあってやめた。
「びっくりしました。アイナさんって、意外と高レベルなんですね」
「うん……まぁ、ね」
私はレベルじゃなくて、種族と武器のおかげなんだけど、言っても竜人なんてわからないだろう。
それに、高レベルなのはミミルさんの方だ。
ハルナさんは知らないが、攻略組の平均レベルは七十程だと聞く。
ミミルさんは五十らしい。
本人は中途半端だって恥ずかしがっていたけど、私からしたら充分高レベルプレイヤーだ。
「次の層行きますか? この層で欲しい素材、私は採れたんですが」
「私はいいけど。暇潰しで参加したみたいなものだから」
黒鉄刀の強化に必要な『黒鉄』も、この二層では採れないみたいだし。
「じゃあ一度出て、準備しましょう。三層のモンスター、かなり手強いみたいなのでライフポーションとか買わないとですし」
「うん、了解」
今考えたら私、黒鉄刀意外初期装備なんだよね。
どおりで、よくダメージが通ると思った。
ライフポーションのついでに、防具とか買おうかな。
心の中でそう決め、私は先導するミミルさんについていった。
三層の攻略は書きません。
これは、会奈が最強プレイヤーになるのを描くわけではないので。
居ないとは思いますが、その方向で楽しみだった方、申し訳ございませんでした。