12話
風邪完治したので、やっぱお休みいりません!
今回は次回の繋ぎです。卵です←なにいってんだこいつ
「……」
私はベッドから起き上がり、ヘルメット型のゲーム機を外す。
ゆっくりと立ってみると、先程までの体が嘘の様に重たかった。長い間潜っていたからだろう。
時計を見れば、時刻は既に7時をまわっている。夏なのでまだ真っ暗というわけではないが、遠方の視認は難しい。
始める前に食べた美味しくない菓子パンのゴミを持ち、ふらふらした足取りで自室から出た。
1人で暮らすには大きすぎる家の中を移動し、キッチンの冷蔵庫から、日持ちしないものを中心に取り出していく。
もともとあまりなかった食材が、ほとんど無くなってしまった。
明日、買い出し行かないとな。と、心で呟きながら、夕食の準備に取りかかる。
「……」
ふと、さっきのハルナさんの言葉が頭に浮かぶ。
堂々と本人、つまり私に直接言ったのだ。返事はできなかったが、感謝はしている。
初心者の私にわざわざ声をかけ、ゲームについて詳しく教えてもらい、格安で道具を売ってもらい、更には助けてもらった。
普通だったら、信用するに値する人物だろう。
だけど、私は普通じゃない。
心の奥底にある1つのトラウマが、人を容易に信用することを、拒絶する。
また1つ、貸しを作ってしまったら、今度こそ裏切られてしまうんじゃないのか。
そう考えてしまう、異常者なんだ。
次回、アイナの中学校時代にジャンプします。