9話
短いですが、キリが良かったので切りました。
どうしようか。なかなか悩ましい。
今回難しいのが、聖竜人以外全て魅力的だということ。
おそらく、全ての進化先がソロでいけると思うし、多分能力に大差はない。
だから視点を変えよう。
私に『アツい炎』が似合うだろうか?
否
私に『清純な水』が似合うだろうか?
否
私に『拒絶の闇』が似合うだろうか?
応
結果、黒竜人にすることになった。うん、黒とか超似合うと思う。赤とか論外だし。
…あ、なんか、自分でやってて悲しくなってきた…
もう良いよ…黒竜人で。
パネルの項目、黒竜人を選択すると、変化が始まった。
体が黒い光に包まれ、私でもどう変化しているかわからないが、身体中がパキパキいってるのは気のせいだと思いたい。
少し経って黒い光が晴れ、体の前半分は視認できるようになった。
髪は…黒竜人になっただけに、黒髪だ。多分目もだと思う。
肌も少し黒くなるだろうなぁ、って思ってたけど、そんなことはなかった。むしろ病的に白くなっている。
どの位って、クラスにこんな人居たら、真っ先に体調を心配する位には白い。
心配していた、腕や足のパキパキという音は、気のせいだったのかな?
特になにもなかったから、安心してるんだけど。
そういえば、ステータスはどうなっているんだろう。名前的に怪竜人の強化版なんだろうけど。
アイナ
初心者
レベル 1/40
種族 黒竜人
HP 210/210
筋力D-
技量B
俊敏C-
持久力D
魔力C+
知力D
適応力D-
精神力D-
運F-
スキル
『体当たりlv1』
『闇魔法lv2』
固有スキル
『解放』
『進化』
んー、余り変わってない。強いて言えば、技量がBになって、闇魔法のレベルが上がったくらい。
にしても、いきなり最大レベルがいきなり増えたなぁ。前は15だった筈だから、一気に25も上がったことになる。
「まぁ、とりあえず街に戻ろう。後一時間で6時だし」
もうすぐ終わらなきゃいけない時間だ。
私がステータスを読み終えパネルを消した時、私の10メートル前に、土煙をあげながら黒い塊が地に落ちてきた。
「!?」
反射的に身構え、剣をしっかりと握る。
少しして土煙が晴れ、塊の正体が少しずつわかるようになってくる。
全身を黒い鎧に包んだ人形のそれは、片膝をついた体勢から立ち上がり、黒い兜の奥に光る赤い眼で私を真っ直ぐに睨んだ。
まるで騎士のようなその風貌には似合わない、心臓部にある血色の水晶がドクリと鼓動をうつ。
目が、放せない。私の頬に冷や汗が流れ、地面にポタリと落ちる。
これを合図に、黒い騎士が己の巨駆に見合う大きな黒鉄の剣を背中から抜いた。
プレイヤー『アイナ』が『火山下層』のユニークボス、『鉄の騎士』と戦闘を始めました。
……どうやら、プレイ歴半日の私にボスを倒させたいらしい。