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第1話 我が家の秘密

季節は春、俺は高校二年目の夏休みを目の前に高校生活にもだんだん慣れてきていた。

友達と呼べる友達は……まぁ、一人くらいしか心当たりはないが、別に虐められたりはしていない。

しかし、俺は高校生活を八割ほど一人で過ごしている。一人ぼっちで寂しそうとか、可哀想とか思う奴もいるかもしれないが、一人でいる時が一番楽だ。変に友人に気を使うこともないし、色々考え事もできる。

それに俺は運動もそこそこできる。50m走はクラスで1位だし、卓球やバスケもクラスで三本の指に入るほどの運動神経があった。

一方、勉強はと言うとーー、


「sinθのグラフがこうある時、ここに入る座標は何だ、じゃあ、立松」

「えっ、え〜と……3?」

「違う。全くお前は何度言えばわかるんだ」


ーー勉強はと言うとあまり自慢はできない。

まともに点数を取れるのは国語ぐらいだ。英語も少しくらいならできるが、数学に関してはもう最悪。

そんな俺は高校二年生、名は立松晴翔たちまつはると

予め説明しておくと俺は“普通の高校生”ではない。


キーンコーンカーンコーン……。

ベルの音が学校中に響き渡る。授業終了のベルだ。やっと数学の授業が終わった。

俺は帰り支度を済ませていると、俺の唯一と言っていいかもしれない友人が俺に話しかけてきた。

「立松ー!一緒に帰ろーぜー!」

「別に構わんが、お前、部活は?」

「今日はOFF!早く帰れるんだー!」

その友人の名は小林慶太こばやしけいた。顔の特徴はネズミのような顔。と言って伝わるだろうか。とにかく前歯が出ている。そしてアホそうな目が何よりも特徴的だ。

そんな小林はテニス部に所属していて、普段は部活動で忙しい日々を送っているそうだ。

こいつとは中学の時からの知り合いで、高校になってから親しくなっていった。

「それにしても立松、お前は暇じゃないのか?部活やってないってことは、休みの日とか暇過ぎるんじゃねーの?」

教室を出るとき、小林は俺にそう問いかけた。俺はその問いかけに即答する。

「そんなことないよ。家事が忙しくってさ」

そう、俺は普通の高校生ではない。そして“普通の人間”でもないのだ。

「家事かぁ。大変そうだな」

「お前、家の手伝いとかしてんのか?」

「ん〜、毎週火曜日のゴミ捨てくらいかなぁ。他の家事は弟たちがしてるから」

小林には弟が一人、妹が二人いる。何故かこんな冴えないネズミが長男だ。

その後、俺と小林はくだらない話ばかりで盛り上がり、それぞれの家に帰宅した。


俺は小林と別れた後、安堵のため息を吐きながら家の玄関の前に立った。

俺は普通の高校生ではない。そして普通の人間でもない。

いや、“俺”というのは間違いだったか。改めてこう言おう。

我が家・・・は普通ではない”。そしてそのことは絶対に他人にバレてはならない。

そう、僕の家族は……。


ガチャ


家の玄関を開け俺は家の中へと入った。

そして自室へ向かい、俺は自室にあるパソコンを開き、椅子に腰掛けた。そのとき、俺の背後から炎の玉・・・のようなものが接近してきていて、その炎の玉は俺の背中に直撃した。

「おい!俺に不意打ちするのはいいが、炎系の魔術はやめろ!火事になるだろ!」

俺はそう怒鳴ると、その部屋の隅に隠れていた妹が言い返してきた。

「いいじゃない!どうせ兄さん死なないんでしょ!威力を試すぐらいいいじゃないの!」

「そーいうのは魔法界あっち行ってやれ!ったく……」


絶対に他人にバレてはならない我が家の事情。そう、俺の家族は魔術師の血を引いた魔術師ウィザードなのだ。



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