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読書/北方謙三『道誉なり』 ノート20180317
北方謙三『道誉なり』
鎌倉末期、後醍醐帝が討幕の兵を大塔宮にあげさせたころ、琵琶湖に臨んだ近江国に、小豪族・佐々木道誉がいた。道誉は、真面目さゆえに父・後醍醐帝から粛清される大塔宮、大塔宮粛清後に帝に反旗を翻し室町幕府を成立させる足利尊氏、そして後に能を芸術にまで高めることになる幼き日の観阿弥といった時代の風雲児たちと出会い交流する。やがて道誉は、足利尊氏が担ぎ上げた北朝を支持し、戦乱で連絡が途絶えた寺社が牛耳っていた琵琶湖の水運航路や近江の荘園を掠め取って財を蓄え、虎視眈々と勢力を拡大していき、ついには守護大名にまで成長する。バサラ大名と呼ばれたトリックスターの半生だ。
ノート20180317




