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読書/隆慶一郎『駆込寺蔭始末』 ノート20180319
隆慶一郎『駆込寺蔭始末』光文社1990年
短編オムニバス。
鎌倉にはかつて〈縁切寺〉の東慶寺というのがあり、DV等を受けた江戸時代の女性はそこへ逃げ込んだ。由緒ある尼寺であることから、豊臣秀頼の遺児・東秀尼以来、貴顕の娘達が住持を務めた。主人公の許嫁の公家の娘が玉淵尼と名を改め住持になった。駆けこんでくる女達や、それを追ってくる夫達は、一癖も二癖もある者達ばかりで、純情な玉淵尼を怯えさせる。公卿出自の主人公は自称を、「まろ」というのでいつしか麿と呼ばれるようになった。彼は、身分を捨てて、元許嫁を得意の御所剣法で守っている。
神主もやっている武士が、東慶寺に、美しい悪妻を追いかけてきて、連れ戻そうとするのだがかなわず、やつあたりで玉淵尼を呪殺しようとしたため、麿は、仕方なく斬るというエピソードがあって、伝奇的な一面もあり、面白い。
ノート20180319




