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読書/堺屋太一『堺屋太一 東大講義録 文明を解く』 ノート20180317
堺屋太一『堺屋太一 東大講義録 文明を解く』日経2003年
NHKドラマ『秀吉』の原作を書いたことで著名な堺屋太一氏は、本来、財界の人で、後には小渕内閣で閣僚をも勤めた。多才なこの人が東大に招待されて講義をした内容を綴ったもの。経済史面から大観すると、日本史は、中国史と密接な関係をもつ。中国は、古代の漢の武帝以来、アジア周辺諸国に絶大な影響を与えてきたのだが、清末以降の停滞した。そして、明治維新で日本が近代化した後、台湾・香港・シンガポール・韓国といった四龍が触発され、最後に〈ビッグ・ドラゴン〉中国が勃興する。その中で日本はどういう舵取りをしていくかと問いかける。講義の終わりに、社会問題の一つである人口少子化が取り上げられ、中世イタリアは人口を減らしたが、ヴェネチアなどの開運国家が発展したという話が興味深かった。
ノート20180317




