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読書/司馬遼太郎『尻啖え孫市』 ノート20180319
司馬遼太郎『尻啖え孫市』講談社1964年
戦国最強の鉄砲衆を雑賀党といい、特定の大名に属さないこの傭兵軍団がどこにつくかで、合戦の帰趨は決したとも言われる。主人公雑賀孫市は傾奇者で好漢だ。とある姫君に懸想して、岐阜にやってきた。信長は秀吉を介して若い棟梁を召し抱えようとするのだが、けっきょく袂を分ってしまう。その後、信長が大阪の本願寺に攻め込むと、本願寺の侍大将として指揮を執って押し返しもした。やがて本能寺の変が起こり、秀吉が後を継ぐと家康と対峙した。秀吉が、誘いの使者を送ってきたのだが、態度が無礼だったので、立腹して家康についたものの、その家康が和睦してしまって、孤立してしまう。秀吉が開場の使者を送ったとき、今度は丁寧な態度をとったので素直に応じた。その後引退して堺に移り住んだ。
話変わって、朝鮮の役において、かの地で投降した日本勢のうちサヤカなる一族がおり、武班として朝鮮王に仕えたという記事を読んだことがある。音感から雑賀党の一派ではないのかという説がある。
ノート20180319




