読書/綿矢りさ『蹴りたい背中』 ノート20180314
綿矢りさ『蹴りたい背中』2003年
ヒロインのハツは、陸上部高校一年生で、学校では浮いた残念な子だ。ハツのストレイシープは、蜷川というオタク少年だ。浮いたもの同士で、放課後、話をしていると、オリチャンというアイドルの話題がでた。ハツは昔、無印商品店でオリチャンを目撃していた。後日、蜷川の家に遊びに行ったとき、蜷川の部屋にオリチャンの加工写真があるのを見つけて背中に蹴りを入れる。それがショックか蜷川は数日学校に来なくなった。自分が原因で不登校になったのかとハツは思って蜷川の家を再び訪ねると、蜷川はオリチャンのライブチケットを手に入れるために、徹夜で並んだため風邪をひいたのだと答えた。蜷川はチケットを四枚も買っていた。それで、同じ高校には通ってはいるのだが、疎遠になっていたハツの中学時代の同級生・絹代を誘って、三人で出かけた。帰りはバスがなく、女子二人は蜷川の部屋に泊まる。その夜、眠れなくなった蜷川と絹代はベランダでお喋りをする。蜷川はオリチャンへの熱が冷めた様子だ。二人はイイ感じになって終わる。
少女の面影を残す作者が芥川賞受賞時に読んだが、読書記録がなかったのでまとめておくことにした。
ノート20180314




