読書/綿矢りさ『勝手にふるえてろ』 ノート20180314
綿矢りさ『勝手にふるえてろ』文藝春秋2010年
江藤良香は東京の会社OLだ。夢見る乙女というかおたくというか、私個人としては、同人誌即売会に出入りするソバカスに眼鏡が似合う感じの女性だと思う。良香には中学時代からの片思いの男性イチがいて、たまに同窓会があると、遠くからみてどきどきしている。〈イチ〉はぶるぶる震える癖があり、そこがまた女心をくすぐる。そのあたりの事情は、来留美に打ち明けるところだ。そんな良香にも春がきた。同じ会社で営業をやっている〈ニ〉が交際してほしいと言ってきたのだ。
同窓会になると〈イチ〉の周りには他の女の子たちが寄ってきて自分が近づくことができない。そして、キープ君であるところの〈ニ〉との比較を始める。現実彼氏の〈二〉の食べ方、自慢話、癖などいちいち理想の〈イチ〉と比較するのだが気に入らない。他方で、同僚OL達が産休をとっていくので、自分もやってみようと計画し実行にうつす。計画は、成功したがのだが、やってみると、案外虚しい。〈二〉は良香の企みを知ってバカバカしいと思いつつも愛してくれている。それを知ってか良香の中での〈イチ〉と〈二〉のポジションが逆転して物語は終わる。
簡単な筋だが、おたくなヒロインに奇妙な可愛らしい。そのあたりの感情描写が巧みだ。
だいぶ前に読んだが、記録しなかったので、ここでまとめておく。
ノート20180314




