読書/氷室冴『海がきこえる』 ノート20130908
氷室冴『海がきこえる』徳間書店1996年
東京から高知市の中高一貫進学校にヒロイン・武藤里伽子が転校してきた。主人公の高校生・杜崎拓が、彼女と出会い、振り回されながら、だんだん恋心が芽生えてゆく青春物語だ。
物語は、主人公・杜崎拓が東京の私立大学に合格して上京しアパート暮らしを始めたところから始まる。都内の医大に合格したアサシオこと山尾忠志との会話の中で回想がなされる。中途から突然転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友や里伽子と喧嘩別れした文化祭を改装する。
既婚男性と不倫している津村知沙、父が離婚し再婚相手が妊娠して苦悩する里伽子。2人の女性に翻弄されながら、拓もまた成長する。
知沙の取り成しで、里伽子と接点をもち、仲直りを果たす。そして大学の長期休暇で帰省したとき、松野とも関係が修復する。
ジブリでアニメ映画化されているのだが、まだ観ていない。主人公とヒロインは真面目なので不良にこそならないが、物語ゆえに、東京行きのあたり、若さゆえの暴走をするところが醍醐味となる。主人公がラストで、コンパで再会するところで、読者は、「おい、おまえら頑張れよ」と思わず暖かい目をしてしまうことだろう。
ノート20130908




