79/100
読書/今野敏『秘拳水滸伝』 ノート20180317
今野敏『秘拳水滸伝』祥伝社1989‐1992年
全四冊からなる物語は、武闘家・長尾高久が、怪老傘下にある日本を陰で牛耳る結社が放った刺客に殺されるところから始まる。長尾の高弟である飛鳥ほか門弟・関係者達が、警察に協力しつつ、事件解決に乗り出す。物語が進むに連れ、『西遊記』のオマージュであることに気づかされる。精神障害に陥っていた久遠はやがて〈弥勒菩薩〉として覚醒する。他のキャラクター達も、善玉悪玉それなりに、仏教に関連した菩薩や修羅といった役割を演じている。筋だけからするとありきたりでつまらないのだが、この作家様のウリは何といっても拳法に精通しているところなので、格闘技ファンは、そこに萌えて一気に最後まで読むこととなろう。
ノート20180317




