読書/田中芳樹『銀河英雄伝説』 ノート20180318
銀河英雄伝説〈本伝〉は、第1巻黎明篇1982年、第2巻野望篇1983年、第3巻雌伏篇1984年、第4巻策謀篇1984年、第5巻風雲篇1985年、第6巻飛翔篇1985年、第7巻怒濤篇1986年、第8巻乱離篇1987年、第9巻回天篇1987年、第10巻落日篇1987年で構成される。
第1巻の冒頭から百頁くらいをつかって世界観を説明、帝国側主人公ラインハルトと同盟側主人公ヤンウェンリーとの小競り合いと、暗愚な味方の足の引っ張り合い、第2巻でキルヒアイスが死亡。以降は要塞イゼルローンを巡っての攻防戦を軸に、皇帝の座に駆け上る帝国のラインハルト、足を引っ張られながらも最年少で同盟の元帥に推されたヤン・ウェンリーの直接対決までを描く。そして第8巻でヤンウェンリーが好条件でラインハルトと和睦できると思いきや邪教〈地球教団〉に暗殺されてしまう。以降、第10巻までは、帝国のロイエンタール元帥の反乱。要塞イゼルローンで、ヤン・ウェンリーの妻フレデリカと猶子ユリアンを首班に、帝国から亡命してきた名将メルカッツに艦隊指揮を託し壮絶な戦いの後に、ラインハルトから自治権を許される。
後にアニメが放送されると爆発的に読まれるようになったのだが、それ以前にも、流行っていた。だいたい、帝都物語と同じころだった。女子学生が休憩時間に、「私のラインハルト~」と絶叫していたのを記憶している。私は第8巻で読むのをいったん止め、しばらく経ってから続きを読んだ。
読後、人に呼びかけるとき、「卿」と言いたくなる衝動に駆られるとされる。「卿」ならまだ許せるのだが、いかにも頭の悪そうなオタク男子が、相手を褒めたり皮肉をいうとき、ラインハルトやヤン・ウェンリーを真似て、「聡明な見識をおもちだ」と口にするのをときどきみかけげんなりする(イメージが壊れる。バカの決まり文句になるからやめろ!)。
ノート20180318




