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読書/夢枕獏『魔獣狩り 淫楽編』 ノート2010312
夢枕獏『魔獣狩り 淫楽編』祥伝社1984年
文成仙吉は、サイコダイバーだ。人間の深層心理に潜って、秘密を探ったりトラウマの治療を行う技師である。そして、サイコダイバーは拳法の達人でもある。仙吉は、邪教と関係した怪老から、高野山にまつられている空海のミイラに思念が残っているので調査して欲しいという依頼を受ける。怪老は不老不死の謎を解き明かしたいらしい。仙吉の同業者には、若き密教僧侶・美空、無免許ダイバーの九門鳳介らがいる。仙吉は、苦労の末に謎の核心に迫り、ミイラに残った思念というのが、空海が天上世界に昇華するときに捨てた、最後の煩悩だということを知った。その冒険の間に、怪老は仙吉の恋人を食った。仙吉は、怪老の「死が怖いのではなく、死というものに身を任せるのが許せないのだ」という言葉に敬意を持ちつつも、決闘の末に倒す。
学生の頃、読んだ記憶がある。
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