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読書/荒俣宏『帝都物語』 ノート20180318
荒俣宏『帝都物語』角川書店1985-87年。本編は次の全10巻からなっている。第1巻 神霊篇、第2巻 魔都篇、第3巻 大震災篇、第巻4 龍動篇、第5巻 魔王篇、第6巻 不死鳥篇、第7巻 百鬼夜行篇、第8巻 未来宮篇、第9巻 喪神篇、第10巻 復活篇。
関東大震災前後を主な舞台としている。平安時代に関東独立国を企てて反乱を起こした平将門。調伏によって怨霊は帝都守護神になった筈だった。しかし平将門の闇の人格を受け継いだのが、アンチ・ヒーロー加藤保憲中尉だ。加藤は陰陽道に精通し、大震災をもって、将門の怨霊を復活させようと目論む。この物語以降の伝記ものに、陰陽道、風水、奇門遁甲といった用語が使われるようになった。
映画版では、俳優・嶋田久作が登場し、あまりにもイメージとマッチしていたので、原作者をして、「加藤を演じるために生まれてきた男」といわしめた。
だいたい、『銀河英雄伝説』が流行っていたころで、私がいた某大学史学科オタク生どもの大半が、銀英伝か帝都のどちらか、あるいは双方にはまっていた。
ノート20180318




