読書/クリスティー『西洋の星』 ノート20130224
西洋の星/ポワロの事件
●有名女優が、夫である詐欺師から、東洋の星というダイヤを贈られる。中国
の寺院から盗まれた宝石で、元々は仏像の双眼にはめ込まれたものの一つだったという。もうひとつは西洋の星というもので、子爵家のコレクションにあった。
●女優いわく、西洋の星と東洋の星は互いに呼び合っていていつかめぐり合うのだという。
●女優の夫は中国人から、宝石を奪うという手紙を受け取った。そのことを間抜け役になったヘイスティングズは、東洋の星所有者である子爵夫妻にもらしてしまう。
●実をいうと、詐欺師は、子爵夫人と浮気していて、そのあたりのことを亭主にバラすと脅迫していた。ダイヤモンドは何年も前に詐欺師が盗んで夫人である女優にプレゼントしていたのだ。西洋の星はとっくに子爵家から盗まれていたのだ。そのあたりのことは子爵夫人は脅迫されていたので、なされるがままだ。
●ヘイスティングズの懸念した言葉を利用して、怪しげな中国人の脅迫状・犯行予告を捏造する子爵夫人。
●パーティーで、子爵夫人は、あらかじめ、宝石の台座をカーペットの下に宝石を抜き取った布と一緒に隠しておく。灯りを自ら消し、自分でダミーの首飾りを外す。忍び込んだ中国人が闇にまぎれて、彼女から。奪って逃げて行ったと証言。
●要は窃盗犯である詐欺師と被害者である子爵夫人の共犯だった。ポワロが詐欺師を脅して、宝石が子爵家に戻ったことはいうまでもない。
●問題解決の鍵。子爵夫人の証言で、ヘイスティングズの質問で、脅迫状が届かなかったか? という問いに対して、重要でない書簡のようなので、破り捨ててしまったと証言。ポワロは、女は手紙を、滅多な事で破り捨てたりはしない。(つまり夫人は嘘をついている)と見破ったのだ。
●ポワロは子爵夫人に事情を問い詰めて真実を知る。
アガサ・クリスティー『ポワロの事件簿1』厚木淳訳 ㈱東京創元社1980初版所収 ノート20130224




