読書/クリスティー『百万ドル公債の盗難/ポワロ』 ノート20130218
『百万ドル公債の盗難/ポワロ』
【粗筋】
依頼人ミス・エズミがポワロの事務所に。ついで、婚約者で容疑者であるフィリップがくる。
事件は、銀行の合同支配人・ヴァバスアが甥のフィリップを自由公債管理責任者に指名したことに始まる。はじめから横領するのが目的だ。地位のある詐欺師・犯罪者である。
リバプールから豪華客船オリンピア号に乗ったフィリップ。100万ドル自由公債を、トランクを携え運ぶ。
謎の犯人に盗まれ、ニューヨークで、売却される。
トランクに入っていたが船旅の間、彼は一度も開けなかった。誰も開けることはできなかった。フィリップは犯人は犯人が開けようとしたのだが断念したと考えている。
ポワロは指摘する。公債はトランクから盗まれた。いかなる手段で、上陸したか。
フィリップの叔父ヴァヴァスア支配人への聴取で、彼が気管支炎を患って、事件付近で長らく欠勤していたこと、オリンピア号がリバプールから戻ってきたとき、気管支炎を長患いして部屋から一歩も出てこなかったという老紳士の存在・(叔父のフィリップだ!)を船員の証言から知るポワロたち。
【トリック】
●はじめからオリンピック号には公債はなかった。
●甥がちょっとでもトランクの中身をみたら真相が発覚する。叔父が隣にいて、甥の部屋の実は空であるトランクをこじ開けようとする。盗難の偽装をしたのだ。それから、海中にトランクの中身であるニセ公債の包みを捨てる。
ニューヨークに着くや否や、叔父は次の便船でイギリスに引き返したのだ。
【用語】
オリンピア号・大西洋航路の巨大定期船(※タイタニック号と同型豪華客船だ) スレッド・ニール街 ロンドンから北西部鉄道でリバプール(大きな港)へ
ジャイガンピック号:サザンプトン発ニューヨーク行き北大西洋航路
【登場人物】
●ミス・エズミー・フォーカー/依頼人。フィリップの婚約者
●フィリップ・リジュェー/公債の管理責任者。オリンピア号で、アメリカ行きの船に乗り、事件に巻き込まれる。
●ヴァヴァスア/銀行の合同支配人。フィリップの叔父。公債管理責任者に甥を指名した。詐欺。真犯人。
ノート20130218




