映画/バンパイアハンター・D(原作『妖殺行』) ノート20180321
YouTubeを開いたら、川尻善昭監督1999年アニメ作品『吸血鬼ハンターD Bloodlust』の紹介があり、開くと海賊版。とはいえ視たらクオリティーが高かったので、礼儀として、早速DVDと原作の菊池秀行『吸血鬼ハンターD 妖殺行』kindle版をAmazonで購入した。もともとは英語版の映画としてつくられたものを日本語版としてDVD専用に収録しなおしたもの。それをもってOVAというのだそうだ。DVDは4000円と高いけれどもコレクションの価値がある。久しぶりにアニメで感動した。
吸血鬼の若い男爵と人間女性との駆け落ち、これを追う無粋な吸血鬼ハンターとの死闘を描く。ラストは川尻『Bloodlust』と異なっている。オリジナル要素として、女性吸血鬼カミーラを登場させ、彼女の居城を宇宙港にしているところが奇抜。 明らかにオーブリー・ビアズリーの影響を受けたと思われる天野孝之の絵を動かせば、ワイルドの『サロメ』のようで、そしてそれをはるかに超えた、絵画オペラのように感じた。
世界観は、人類が核戦争でほぼ壊滅すると、宇宙の果てから吸血鬼の一族が宇宙船でやってきて、新たな一万年文明を築き地球の支配者〈貴族〉となったのだが、遺伝的な問題から衰退する。やがて中原において人類は復権したが、辺境においては、まだ〈貴族〉は残余の勢力をもっていた。そこで、吸血鬼ハンターという専業集団が生まれる。主人公ハンターDはその一人なのだが、吸血鬼と人間の混血児ダンピールだった。
ノート20180321