読書/クリスティー『オリエント急行の殺人/ポワロ』 ノート20180318
アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』(エルキュール・ポワロシリーズ)1934年
言わずと知れた本作は、映画・舞台・テレビ化されてきた。執筆当時、大陸間無着陸飛行で英雄となったアメリカのパイロット・リンドバーグ大佐の子息が身代金誘拐の末、殺害されるという事件があった。同事件をモデルに、真犯人がオリエント急行搭乗予約を知った関係者たちが、同列車を丸ごと借り切って、暗殺してしまうというものだ。ところがその列車に、パレスチナでの事件を解決し、今度は帰国して別件の捜査をしようとしていた名探偵ポワロが乗り込んだ。これは一つのハプニングで、ポワロは昔、ベルギー警察に所属していて、昔の仲間が同列車の支配人になっていていたため、急ぎのポワロのために空き部屋を提供したのが事件に巻き込まれることになった理由だ。ポワロは支配人から捜査を依頼される。結末はご存知の通り、容疑者全員が殺人犯。しかし動機が動機だし、子供殺しの犯人はマフィアに命を狙われていたという経緯があったので、そっちの筋で暗殺されたのどろうということにしたオチである。
クラッシックミステリー作家としては最後のほうになる女王は、クラッシックでは邪道とされていたことをいくつかしているが、『オリエント』もその一つ。そして、最後まで読ませてしまうのだから、やはり女王だ。
ノート20180317




