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猫又と俺の願いを縫う不思議な工房  作者: ありぽん


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48話 思い出を喰う水2

 イベントが終わったから、いつも通りの格好に戻るのかと思いきや。そのままの格好で、剥がれた羽はすぐに貼り付け直し、最近は頭にも羽を扇のように貼り始めた。


 それに、変化はそれだけじゃない。結灯に貰ったリボンを、ただ結ぶだけじゃなく、いろいろな結び方を本やネットで調べ、最初の時よりも首元が派手になっているんだ。

 

 まさか終わらせるどころか進化するとは。これ以上進化したら、ちょっと困るぞ? 今だってちょっと被害が出てるんだから。


 まず最初の被害。それは剥がれた羽がふわふわ飛んで、そのせいでくしゃみをするあやかしが増えた事だ。俺は時々鼻が痒くなる程度なんだけど、どうにもあやかしは反応しやすいのか? くしゃみをするあやかしが増えてさ。


 だからシロタマやカエンたちが注意しているんだけど、本人たちは剥がれた後すぐに貼り直してると言い張って。


 仕方ないから、落ちたものに関しては、俺がなるべくその場ですぐに広い、羽が入っている小物入れに入れるようにしている。俺が気づいていない時や、いない時は、みんなにも同じようにしてもらっているぞ。


 そして次の問題。次の問題は、幼いあやかしたちが、ピヨ太たちの真似をし始めたことだ。


 今日うちに来ている、ネズじいちゃんのところに幼いあやかしは。ピヨ太たちみたいに、頭に扇みたいに羽を貼り。方にも同じように羽を貼っている。

 他にも結灯に小さなリボンを出してもらい、腕や足なんかにそれぞれリボンを結んだり、頭に巻いてみたりしていて。


 今は俺が余計な事を言っちゃったから、全身に羽をつけている最中だ。太陽を絵に描くと、真ん中に丸を書いて、周りに光が溢れる様子を棒でひょいひょいっと伸ばして描くだろう?

 皆の頭と肩に貼ってあった羽が、そういう風に見えてさ。だから思わずそう言っちゃったんだ。

 

 そうしたらみんな貼り出して……。ネズじいちゃが言った事じゃないけど、パッと見した時、隠鼠には見えなくて、違うあやかしに見えるんじゃないか?


 そして、その変身はネズじいちゃんの所だけじゃなく。他の幼いあやかしたちもやっていて。みんな思い思いの姿に変身しているんだ。


 まったく、こんな事を流行らせて。お前たち外に出るんだろう? この前は人前に出るのは……、とか言ってたくせに、今その姿で外をフラフラして。誰かに見られたらどうするんだよ。


 という事で、今は大人組が人に見られないようにって。変身しているみんなのことを気にして、なるべく一緒に行動してくれているぞ。


 シロタマやカエンたち曰く。どうせすぐ飽きるだろう、いつもそうなんだから。1ヶ月も続いた事はない。だからもう少しの辛抱だ、らしい。本当に飽きてくれるのか、俺は心配だよ。


 と、こんな風に、地域復興イベントが終わっても、俺の周りはまだ騒がしいまんまだ。


「さて、俺はそろそろじいちゃんたちの手伝いをしてくるよ。みんなはどうする?」


『そうか、今日は手伝いの日だったな。じゃあ、そろそろ帰るか。うん、居酒屋に行こう。お前たちも来るだろう?』


『行く行く! リンと影嗅に見せなくちゃ!!』


『ネズじいちゃん、僕たちも行こう!!』


『新しい姿、見せないと!!』


『分かった分かった。カエン、連れて行ってもらえるかの?』


『ああ。よし、それじゃあ行くぞ』


 個々だと移動が大変なあやかしが、カエンの周りに集まり。小さなあやかしは、カエンが肩に乗せたり、頭に乗せたり、大きなお盆に乗せる。居酒屋に行くことが多くなって、みんなの移動も増えたから、カエンが一気に乗せて運べるようにって拾ってきたんだ。運ぶのにちょうど良いって。


『よし、みんな乗ったな。後の奴は、俺が力で運んでやる。じゃあな、晴翔、シロタマ!!』


 そう言って、窓から出て行くカエンたち。カエンは火の力を使うことができるんだけど。これが凄くて。火の温度を変えることができるんだ。

 真っ赤に燃える炎なのに、触っても熱くない炎。この前触らせてもらったら、本当に熱くなくて、とても不思議な感じがしたよ。


 カエンに乗ることができないあやかしたちは、その熱くない炎に包んでもらい、そのまま運ばれて行った。


「さて、じいちゃんたちの所へ行こう。シロタマはどうする?」


『もちろん一緒に行くぞ。それで隠れてお前の手伝いをしてやるからな』


「ありがとう」


 確か今日は、少し向こうの街から、ぬいぐるみの依頼がきたって言ってたっけ? その修復をやるのかな? そんな事を思いながら、俺たちもすぐに工房に向かった。


 そして工房に入れば、いつも忙しく働いているじいちゃんと神谷さんの姿が見えた……。はずだったんだけど。


 工房にはぬいぐるみを置く、大きなテーブルがあり。じいちゃんと神谷さんはそのテーブルの前に立ち、何かを話していた。何だ? 何か問題があったのか?


「じいちゃん、神谷さん?」


「ん? おお、晴翔か」


「手伝いにきたよ」


「おお、もうそんな時間か。気づかなかったわい」


「どうしたの? 何か問題でもあった?」


「問題と言うかのう。う~む、わしにも分からんのじゃ」


「分からない?」


「ああ、俺にもな」


 じいちゃんと神谷さんが分からないって何だ? 俺はすぐにじいちゃんたちの方へ行った。そうしてテーブルの上を見てみれば……。

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