45話 ピヨ太、ピヨ助、ピヨ吉の俺たちの時代が来たぜ!!4
「……」
『……』
『僕達の時代が来た!!』
ピッ!! と組体操の3人扇のように、ピヨ太を中心に技を決めるピヨ太、ピヨ助、ピヨ吉。それをジッと見つめる俺たち。
『俺たちの時代が来た!!』
再びピッ!! と今度はピヨ助が1番下になり、ピヨ助の上にピヨ太が、ピヨ太の上にピヨ吉が乗って、羽を広げて、ポーズを決める3匹。
『ボク達の時代、来た!!』
今度はピヨ吉が真ん中で老羽を広げポーズをとり、両端でピヨ太が左羽を広げ、右羽を自分俺前にし、片足をあげポーズを。ピヨ助はピヨ太の逆のポーズをとり。3匹ででポーズを決めた。
『『『時代が来た!!』』』
『はぁぁぁ』
シロタマだけじゃなく、他の年長者のあやかし達からため息が漏れる。俺たちは今、一体何を見ているのか……。
朝早く、5時ごろから家に来たピヨ太たち。そうして散々騒いだ後、午後になってカエンたちが来てからは、ずっと今のようにポーズを決めている。かれこれもう2時間だ。そんな中、俺たちは今度の地域復興イベントの準備を進めるっていうな。
『はぁ、お前たちなぁ。何が『僕たちの時代がきた!』だよ。毎年この時期に、同じこと言ってるだろう』
『本当だよ。時代が来たって、そんなこと言ってたら、ずっとみんなの時代が続いてるってことじゃないか』
『そこは、時代が来た! ではなく、出番が来た! じゃないのか?』
『僕たちの時代が来た!! だよ!!』
『そうそう、俺たち時代だよな』
『時代が来た!!』
時代が来たと騒ぐピヨ太たち。一体ピヨ太たちは何をしているのか? それは今回の地域復興イベントに関係ある。
商店街公式キャラクターすずまるは、スズメをモチーフにしていて。姿がピヨ太たちにそっくりだ。
そのためシロタマたちによると、毎年イベントの時期になると、すずまるの看板やら、ぬいぐるみやら、ポスターやら。いろいろな物が町中に溢れかえって、すずまるフィーバーになるため。それを自分たちの時代が来た!! と言っているらしい。
そしてそれはピヨ太たちだけじゃなく、この街や周辺に住んでいるスズメたちも一緒で。イベントの日は、商店街で遊ぶスズメが増えるし。イベントじゃないけど、自分たちで同じようなイベントを開催し、遊んでいるらしい。
まさか自然界のスズメたちまで、そんなことをしているとは。最初聞いた時は、本当かよと思ったけど。
昔あやかしのことを知っていた人が、写真を撮ってくれたらしく、それを見せてもらったら、確かにみんなが集まり、いろいろなことをしていて遊んでいて。信じるしかなかった。
ただ、今年はいつもと違う事が1つある。それはピヨ太達の格好だ。この前、根応のぬいぐるみを修復しただろう? それで根応たちは最後、サングラスをかけたりネックレスにブレスレットを付けたり、アロハシャツを着せたりして。
どうやらピヨ太たちも、それが気に入ったらしく。今回のイベントに参加するスズメたちに、自分たちに合うサイズの、サングラスと小物を探してもらったらしい。
だから今のピヨ太たちの姿は……。全員が違うサングラスをかけ。キラキラ光る、結灯に出してもらったリボンを付け。
体全体には、スズメたちから抜けた羽を、みんなに集めてもらい。それを、物を綺麗にしてくれるあやかしがいるらしいんだけど。そのあやかしに綺麗にしてもらって。綺麗になった羽を、特別なノリを使って身体中に貼り付けた。
特別なノリも、あるあやかしに出してもらった物で。あやかしの体に害はなく、洗えばすぐに取れるものらしい。そのおかげでたくさんの羽を付けることができ、体全体のふわふわ感とボリュームが増した。
そして最後に、どこからかスズメたちが拾ってきてくれたエクステを、ノリで翼に貼り付け終了。というような、まぁ、それはそれは派手な格好をしているんだよ。
さっきまではもっと派手な格好をしていて、思わず写真を撮っちゃったくらいだ。どんな格好かといえば。
エクステを知らなかったピヨ太たち。俺が説明する前に、目の上と嘴の上に付けてしまい、眉毛とヒゲみたいにしたんだ。
ちなみにこの姿は、ピヨ吉が気に入っていて、今もそのままになっている。まぁ、好きなように付けるのは1番だから良いけど。
こうしてその後も、ポーズを決めまくるピヨ太たち。それを横目に、イベントの準備を続ける俺たち。
1時間くらい経った頃だった。
『ねぇねぇ、晴人』
「ん? 何だ?」
『さっき僕たちの写真撮ったでしょう?』
ポーズを決めていたピヨ太たちが、俺の所に来た。……近くで見ると、やっぱり凄い格好だな。
そしてそんな凄い格好に見合わず、真剣な表情で、俺に話してくるピヨ太たち。
『あにね。写真でお願いがあるんだけど』
「お願い?」




