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猫又と俺の願いを縫う不思議な工房  作者: ありぽん


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19話 ふたりでひとつの贈りもの3(前半シロタマの会話、後半カエンの会話)

「じゃあ、準備をするから、ちょっと待っててくれるかな? 別の部屋に置いてある道具を取ってくるからね」


「うん!!」


 晴翔が部屋から出るのを見て、別の部屋の窓から家の中に入る。晴翔は廊下に立っていた。


「話しは聞いた? 俺はあの子の話しを聞かないといけないから、ピョコとクルリを連れてきてくれる?」


『分かった』


「修復には時間がかかるから、時間的には問題はないけど。でもなるべく、あの子の気持ちを、あの2人には聞かせたいから、連れてこられるようなら、なるべく早く連れてきてくれ」


『分かった』


『任せろ。お前達行くぞ』


『うん!!』


「シロタマ、頼むぞ」


 晴翔に2人を連れてくるように頼まれて、すぐに2人を探しに行った俺たちは。途中からは手分けして探すことにし、とりあえず俺は、2人が住んでいる山の右方向から、2人を探す事に。そうして約1時間。俺はなんとかクルリを見つけることができた。


『クルリ』


『シロタマ、どうしてここにいるの?』


『ちょっとお前に用事があってな。うちに来てくれ』


『晴翔のお家? ……ピョコいるなら行かない』


『はぁ、まったくお前達は。いい加減仲直りしたらどうだ?』


『怒ってるのも、許してくれないのもピョコだよ』


『だが、ピョコの気持ちも分かるだろう? 子供が何で、お前似のぬいぐるみを作ったのかは分からないが。その事であいつが傷ついたことは、ちゃんと分かってやらないとな』


『……ボク、ピョコのことも人間の子供も大好きなんだよ。それなのに本当は嫌いなんでしょうっていわれて、すごく悲しかったの』


『……』


『子供も、何でピョコのぬいぐるみ作ってくれなかったのって、みんなお友達なのにって。それもとっても寂しくて。だからみんなでまた仲良く遊びたかったの。なのにピョコはずっと怒ったまんま。だからボク、それがとっても嫌で怒ってるの。……でも本当はやっぱり、みんな一緒にニコニコが良いの』


『……分かっている、お前の気持ちはな。そうだな。お前はいろいろ考えて、それでみんながまた仲良く遊べたらと思ったんだよな。それをずっと拒否されれば、そりゃあ怒りたくもなる。俺だってお前の立場なら怒っていただろう』


『シロタマも?』


『ああ。当たり前だろう。不貞腐れて、いい加減にしろってな。……だが、ピョコのことをよく知っているお前なら。ピョコの寂しい気持ちを分かっているお前なら。今ピョコが、本当はどう思っているか分かるんじゃないか?』


『……うん』


『なら、今から家に来い。そこで仲直りをすると良い』


『うん』


『が、ぬいぐるみは別だ。それはきっと、人間の子供を傷つけたからな。それについても、俺たちが一緒に謝り方を考えてやるから、きちんと謝ろう』


『……うん。許してくれるかな?』


『まずは、謝ることからだ』


『うん』


『それじゃあ、家に行くぞ。ああ、それと、晴翔がお前を呼んだのは、俺の話し以外に大切な話しがあるからだぞ』


『大切な話し?』




       ***************************




『はぁ、やっと見つけたぞ』


『カエン? どうしたの?』


『お前を呼びに来たんだ。晴翔がお前を呼んでる』


『晴翔が? クルリがいないなら良いよ』


「はぁ……お前なぁ。お前たちの揉め事に、さんざん晴翔を巻き込んでるんだぞ? 晴翔が呼んでるんだから、行けばいいんだよ」


『でも……』


『それに、お前も、そろそろ本当は、仲直りしたいんじゃないのか?』


『……』


『なら、さっさと仲直りしちまえよ』


『……僕、本当に悲しかったんだよ。友達と思ってたのは僕だけだったの? って。だってクルリとは生まれた時からずっと一緒にいて、本当の家族みたいで。それで僕たち2人に、新しい人間の友達ができて』


『……』


『でも、あの子はクルリのぬいぐるみだけ作って、僕たちに一緒に遊べって言ったんだ。それで、僕だけ仲間はずれみたいで、とっても悲しかった』


『だろうな。誰だってそんなことされたら、そう思うだろうよ。オレだってそう思うだろう』


『カエンも?』


『当たり前だろう? 今までずっと仲良くしてたんだぞ? それなのにいきなり、仲間はずれみたいなことされてみろ、お前みたいに思うのは当たり前じゃないか』


『だよね! そうだよね!』


『でも、クルリが心配しているのも、本当はちゃんと分かっているだろう?』


『……それは』


『あいつだって、大好きな友達のはずなのに、何でピョコのぬいぐるみじゃないの? きっと何か間違っちゃって、今頃ピョコのぬいぐるみを作ってるはず。でも、違ったら? そう思って、何とかお前を元気づけようとしたんだろう。そしていつも通り一緒に遊べるようにって、考えたんだろう』


『……分かってる。僕がいつまでもウジウジしてただけ。でも悔しかったんだよ』


『それも分かってる。だがお互いを思っているのなら、そろそろ仲直りをするべきだろう』


『……うん』


『じゃあ、さっさと仲直りしちまえ』


『うん』


『だがな、ぬいぐるみの方はまた別だぞ? 人間の子供がせっかく作って、お前達にプレゼントしたぬいぐるみだったんだ。それを壊して逃げたんだから、それはきちんと謝らねぇとな』


『……でも、ごめんなさいするの。おあやかしってバレて大丈夫かな?』


『それはお前達が仲直りした後に、俺たちが考えてやる』


『……うん』


『よし、じゃあ、さっさと行くぞ。ああ、それと他にも大切な話しがあるからな。ちゃんと聞くんだぞ』


『大切な話し?』

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