17話 ふたりでひとつの贈りもの1
「はい!! これね、ボクが作ったんだ。2人にプレゼントだよ!!」
『コン?』
『くぅ?』
「2人はいつも、僕の所に遊びに来てくれるでしょう? だから遊びに来てくれてありがとうのプレゼント!!」
『コン』
『くぅ』
「あのね、僕お引っ越しばっかりで、お友達がいないんだ。だから2人が遊びに来てくれて、とっても嬉しかったの。パパとママが、自然に生きてる動物さんだから、触っちゃダメって言われて。だからワンチャンみたい、触ったり、抱っこしたり、撫でたりしてあげられなかったけど。いつも側にいてくれて、遊んでてくれて、とっても嬉しかったんだ」
『ココンッ!』
『くぅぅっ!!』
「だからね、これは遊んでくれてありがとうのプレゼントなの。いつも一緒にいる2人のことを考えて作ってみたんだけど、どうかな? そっくりにしようと思って、頑張ったんだ。特に耳としっぽを頑張ったの。それに色もね、頑張ってお店でそっくりなのを探したんだよ」
『コン……』
『くぅ……』
「これからも、2人はずっと仲良しでいてね。それから、仲良く一緒に遊んでね。僕も2人と仲良しだよ!!」
『……』
『……』
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『やっぱりあれだな。晴翔、黙っての内緒の贈り物は、なるべくやめた方が良いかもしれないぞ。まぁ、時と場合によるが。今回はダメな方だったな』
『ま、そろそろ落ち着いてきたし、次気をつければ良いだろう。悪いことしたわけじゃねぇしな。ただ、じいさんは調子に乗りすぎる事が分かったから、次何か頼まれても、内緒の贈り物はやめておけ』
「そうするよ。まさかあんな騒ぎになるなんて。はぁ、落ち着いてくれて良かったよ」
サブロウじいちゃんの依頼を終わらせて。喜んだサブロウじいちゃんが、季節外れの花々を咲かせ、動物や虫を集めて、大騒ぎになってから5日。
木も花も、動物や虫たちも、今までが嘘だったようにほとんどが消え、いつも通りの保育園になり。少しずつだが街の騒ぎもおさまってきた。
一応、どうしてこうなったのか、専門家? を呼んで調べたらしいけど、あやかしのことを知らないんだから、原因なんて分かるわけもなく。もう少し調査したら、たぶん原因不明で終わるだろう、って話しを聞いてきた神谷さんが言っていた。
で、俺たちの方はというと、次に依頼を受けた時は、何かする場合、なるべく事前に相手に伝えるようにしようってことになった。
まぁ、勝手にやったことは依頼とは関係ない内容だったし、たとえ良かれと思っての行動でも、やっぱりやっちゃいけない事だったなと反省してる。
これからは、シロタマの言う通り、時と場合をちゃんと考えてから動くことにした。またあんな騒ぎになったら、大変だからな。
『よし、反省会はこの辺で良いだろう。依頼成功の宴会を始めるぞ!』
『『『わあぁぁぁ!!』』』
一気に盛り上がるみんな。シロタマとカエンが、外に音が漏れないように、力を使ってくれてなかったら、完璧にじいちゃんたちにバレてるところだ。
と、いう事で、反省会をした後だけど。今日はバイトも、じいちゃんと神谷さんの手伝いもなく。俺自身への依頼も何もなくて、完璧にオフだってから。みんなが今回の急な、そして大変だったサブロウじいちゃんの依頼成功を祝って、宴会をする事になっている。
『さぁ、飲むぞ!!』
『今日は特別に、いつもよりも多めの酒を許されたからな』
『おつまみも完璧だぞい。途中でなくなることもなかろう』
『僕、これ貰い!』
『あ、それボクの!』
みんな、この日を楽しみにしていたから、さっきまでの反省会はどこへやら。さっさと準備を始めたよ。ただ……。
楽しそうに準備をしているけれど、そしてもう飲み始めたあやかしもいるけれど。みんなチラチラと、同じ方を何回も見ている。それは俺も同じで。
俺たちの目線の先には、ある2匹の姿が。
『ピョコなんて嫌いだよ!!』
『クルリのことなんて知らない!!』
『ピョコが謝ってよ! ピョコのぬいぐるみなんだから!!』
『2人のって言ったもん! それに壊したのクルリだもん!! クルリが謝って!!』
『クルリ、悪くないもん!!』
『ピョコだって、悪くないもん!!』
せっかくサブロウじいちゃんの騒ぎが収まったのに、また面倒ごとかよ。はぁぁぁ。




