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猫又と俺の願いを縫う不思議な工房  作者: ありぽん


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11話 子供たちの眠りを見守る優しいあやかし1

「さぁ、できたぞ。どうだ? 確認してくれ」


 横で邪魔されながらも、ひよこのぬいぐるみを修復した俺は、スズメの子にぬいぐるみを渡す。するとピヨ太、ピヨ助、ピヨ吉も一緒にぬいぐるみの確認を始めた。


『わぁ、クリクリのお目々が濁ってたのに、綺麗になってるよ!』


『毛も、もふもふの、ふわふわになってるな』


『それにボザボサじゃなくて、綺麗にまとまってる』


『これなら良いんじゃないか?』


『ぴぴぴっ! ぴぴっぴー!!』


『可愛いに戻った、ありがとうと言っているぞ』


 通訳してくれるシロタマ。ぴっぴぴと歌を歌っているみたいに鳴くスズメの子。気に入ってくれて良かった。


 というか、ピヨ太達はなんで確認してるんだよ。確認するのはスズメの子だろう。まったく、毎回俺がぬいぐるみを修復する度に、ぬいぐるみの持ち主じゃないのに、確認してくるんだから。


 スズメの子は、少しのあいだ歌ったあと、俺にありがとうとお礼を言って、家に帰っていった。近くの山に住んでいるらしい。


 じいちゃんが住んでいる地域には、商店街や大型ショッピングモール、住宅街もあるけれど。そのすぐ側には田んぼや畑が広がり、そしてもちろん山もある。


 小さい山だと、山頂までの道がきれいに舗装されていて、頂上まで登って戻ってくるのに、だいたい1時間半くらいだから。俺は子どもの頃、よくその山で遊んでいた。迷うことの方が難しいくらいの山でさ。他の子どもたちもよく遊んでいたよ。今でもそうらしい。


 戻ってきてからはまだ登っていないから、今度久しぶりに遊びに行こうと思っている。


「さぁ、みんな。昼の宴会はそろそろ終わりにしろ。俺はこれからじいちゃん達の手伝いをしに行くからさ」


 蒼、宴会と言っていたが、今は13時30分。シロタマたちは昼間っから宴会をしているんだよ。


『何だ、遊べないのか?』


「今日は手伝いの日だって、言ってあっただろう」


『う~ん、せっかく晴翔が戻って来たのに、ぜんぜん遊べないな。ぬいぐるみばかりでなく、俺と遊んでくれ』


「仕方ないだろう。ぬいぐるみの修復で忙しいんだから。まぁ、そのうち落ち着くだろうから、それまではこんな感じになると思うぞ。大体シロタマがみんなに話したから、俺の所のみんな来るんじゃないか」


『やはり話すべきじゃなかった。いや、でもな。お前のぬいぐるみの修復も自慢したかったし。う~ん』


 ブツブツ言うシロタマに苦笑いをしながら、俺はカエン達にもう1度、宴会を終わらせるように言う。


『分かった分かった。片付けるよ』


『皆、袋は持って来ておるの? しっかり分別じゃぞ』


『おう!』


『そうですね』


『分別、大事!!』


 そう言って片付けを始めるカエン達。みんなそれぞれ、市で決められているゴミ袋を持参していて。それにきちんと、ゴミを分別して捨てていく。これには最初の見た時驚いた。何なら俺よりしっかり分別をしていたし。

 

 みんな、住んでいる場所を綺麗にするのは当たり前、そしてゴミの分別も当たり前、だそうだ。それを聞き、その姿を見て俺は、もちろん今までもゴミの分別はしていたけれど、もっとしっかり分別するようになった。


 それにあやかしは自分たちのゴミだけじゃなく、人間がその辺に捨てたゴミまで、ちゃんと片付けてくれていて。同じ場所に住んでいるのに、人として申し訳ないよ。


 ちなみにカエン達が出したゴミは、商店街のゴミ置き場へ持って行っているようだ。あそこなら、お店のゴミや飲み屋のゴミが集まるから、少しゴミが増えたところで、誰も気づかないからは問題ないって。


 じいちゃんの所のゴミ捨て場に捨てると、お酒の缶やら瓶やらが多すぎて。誰がこんなにお酒飲んでるんだって、目立つからダメだ。それでみんなの存在に気づかれても困るし、俺が飲んでる? なんて疑われてもな。


 こうして片付けを始めて15分。部屋の中は綺麗に片付き。その後は、香花という花の香りを振りまいてくれる、花の姿をしているあやかしのカノハが。俺の部屋のお酒の匂いを、優しい花の匂いに変えてくれた。ちなみにカノハは俺が命名した。


「ありがとう、カノハ」


『いつでも綺麗な匂いにしますから、言ってくださいね』


『さぁて、夜の宴会まで寝てくるかな』


「おい、夜はダメだぞ。今日は昼に宴会したんだから」


『なんだよ、良いじゃねぇか』


『ダメかのぉ』


「お前たち、どれだけ宴会好きなんだよ」


 と、カエンたちの夜の宴会を止めている時だった。


『お~い!』


 そう声をかけながら、窓から伝貂のヒビキが部屋の中へ入ってきた。伝貂はあやかしや動物たちの伝言を伝えてくれる、貂に似ているあやかしだ。ちなみに名前は、自分でヒビキが良いと言ってきたから、ヒビキにしたよ。


 今更だけど、猫又やら猿火、俺がつけた名前にみんなが自分で考えたら名前、そして本当の名前? と。なんかいろいろ呼び方があるけど。

 そんなホイホイ、この名前が良いって、付けて良いのかって思う時がある。まぁ、俺は別に、誰も何も言わないから良いのかもしれないけどさ。


「いらっしゃい、とは言ったものの、宴会は終わったぞ」


『あ、今日は宴会はいいよ。それより晴翔に会いたい、ぬいぐるみの話しをしたいって言ってるあやかしがいるんだけど。案内するからさ、これからそのあやかしがいる所まで行ける?』


 ん? ここに来られないあやかしなのか?

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