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 ブー、ブー、ブー。

 その時、シュネの懐から音が鳴り出す。

「□◎∵∴√‼」

 シュネは懐からエメラルド色の魔法の小型石版(タブレット)を取り出して……。

 石版(タブレット)の表面に表示されているのは……冒険者ギルド本部のマーク。

 どうやら、ギルド本部から何かの緊急連絡が有ったようだ……って、どう考えても、何についての連絡かは明らかだけど……僕たちが原因だとしても、今、この町で起きてる事は僕たちの専門外だ。

 シュネは自分の口と石版(タブレット)を交互に指差し……。

「あ〜、わかった、わかった」

 そう言って、ローアは石版(タブレット)を取り上げ……。

「はい、『聖騎士ロンメル』パーティーの『聖女ローア』っす」

 シュネは首を左右に振り、自分の口を指差す。

「なるほど……」

 ローアは無視。

「わかりやした」

 ローアは更に無視。

「報酬は、いつもの倍でいいっすか?」

 ローアは無視無視無視。

「え〜……まぁ、仕方ないっすね。いつもの5割増しで手を打ちましょう」

 通話を終えると、ローアは指を鳴らして僕たちにかけた「猿ぐつわ」の魔法を解き……続いて、シュタールの頭を掴むと……。

「うぎょッ‼ 何すんじゃ、このメスガキがッ‼」

 ドワーフに改造された小人症の人間は……普通の人間より寿命が短かくなるが……改造された時に施された精神操作のせいで、自分を本当のドワーフだと思い込んでいる。

 その結果、例えば……ローアさえ自分から見れば「メスガキ」にしか思えない年齢だと勘違いしてたりする……。

「解毒の魔法を応用した酔い覚ましだ。緊急の仕事だ。おい、耳長野郎、全員に浮遊(レビテーション)の魔法をかけろ」

「え……? な……何?」

「ギルド本部からの緊急依頼だ。あの山車(だし)を破壊するぞ。正確には山車(だし)に乗ってるモノだ」

「で……でも……それは消防ギルドとかの仕事じゃ……。それに、あの状態じゃ……何が山車(だし)に乗ってても、遅かれ早かれ焼けて灰に……」

「阿呆、今の一位のパーティーには、あたしより力が上の聖女が居ただろうが……あたしみたいなのが死んだら、どうなる?」

「……ど……どうなるって言われても……どうなんの?」

「だ・か・ら……聖女だの神官(プリースト)だのの9割9分以上は……あたしと同じ強力な魔性のモノ(フィーンド)から力を得てる偽物だろうがッ‼ しかも、ズル(チート)なしの実力だけで冒険者ランキング1位になったパーティーの『聖女』だぞ。判ってんのか?」

「判んない。僕、馬鹿だから判んない」

「あ〜、シュネは阿呆じゃないから、判るよ……ええっとね……」

「お前の説明は後でゆっくり聴いてやる。要は……バカ強い(つええ)魔性のモノ(フィーンド)と契約してたバカ強い(つええ)『邪術師』がくたばって……その死体から、マズい魔力が漏れ出してるみてえなんだよ」

「へっ?」

「だから、町の大通りにクソ剣呑(ヤベ)え『邪遺物』かアンデッドが出現したんだよッ‼ いくぞ、聖女サマの死体をブチ壊すか……聖女サマの亡霊を地獄に送り返すぞ‼」

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