えんぴつ様の、書・く・と・お・り
小説家になろうラジオ大賞4 参加作品
テーマは「えんぴつ」
私の通う高校のクラスに、学年成績トップの馬場君がいて、実は彼に淡い恋心を抱いていた。文武両道、ルックスも申し分ない彼は、クラスだけでなく学校中の女子にモテモテだった。
勉強も運動も平凡で、なんの取り柄もない地味な私には、彼に近づくことすら出来なかった。
どうにかして、お話だけでもできないものかな?
私も成績が上がれば、一緒に勉強してくれるかな?
でも、勉強なんて無理だし。
そういえば……
昔、お祖母ちゃんからもらった鉛筆があった。
どんな問題でも解答してくれる魔法の鉛筆。
私は引き出し奥深くにしまってあった、その鉛筆を取り出す。
見た目は普通の鉛筆。
試しに数学の問題集を開いて鉛筆を握る。
すると、鉛筆を持った右手が自然と動き出す!
そしてあっという間に答えを書いてしまった。
すごい!
これ、本物だ。
これを使って学年成績でトップになれば、彼とお近づきになれる!
それからはテストの度にこの鉛筆を使うように。
お陰でテストでは連続満点。
貼り出される学年順位。
トップの彼の名前の下に私の名前が並んで掲載される。
やった! これで名前だけでも覚えてもらえる!
「高田さん?」
「ば、馬場君!?」
「すごいね、こんな短期間で成績上げるなんて」
「えっ、いや……そうでも……」
「どんな勉強法してるの? 今度一緒に勉強でもしないかな?」
「は、はい!!」
ついに一緒になれる機会がやってきた!
そして……
放課後の二人っきりの図書室。彼と並んで問題集を解く。
もう、ソワソワして数学の方程式を解くどころじゃない。
あの憧れの彼が隣に。
すぐ触れる位置に。
振り向けば、顔がこんなに近くに。
「どうしたの? さっきから一問も解けてないみたいだけど?」
「え? えっと? その……」
そりゃあそうだ、分からないもん。
どうしよう、このままじゃ、バカな子だってバレちゃうよ。
そ、そうだ、あの鉛筆を使えば。
そう思い、鉛筆を握ると、いつものように自動で動き出す。
しかし、鉛筆が書きだす答えは、
“私が好きな人は”
えっ!?
“馬場君です。そのために”
ちょっと、待って!
勝手に動かないで!
必死に隠すも止まらずに、最終的に鉛筆はポッキっと折れて横たわる。
そんな様子を笑いながら見ていた彼は、
「なるほどね、いいよ、僕が勉強、教えてあげるよ」
「ほ、本当?」
こうして私は毎日、彼とマンツーマンで勉強をすることに。
念願叶って彼と一緒に過ごせる!
……のかな?
これで正解なんですよね?
合ってますよね、鉛筆様!?




