梅雨の晴れ間
灰色に閉ざされた街並み
道ばたにひっそりと
たたずむ紫陽花の葉に
ぽたぽたと垂れる雫は
梅雨にまぎれて
頬を伝う涙とごまかした
風のない雨は蕭々と
ひたむきにまっすぐ
地面をたたいた
偽りのない足音は
ただ 季節を運んでいただけ
謂われのない
ざわめきにくすぐられ
渇いたように笑ってみせた
精一杯のうそは
物憂げに煙る街のため
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読んでくださりありがとうございました。