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冒険の書  作者: リル
3/3

1章 3話

この世界に来て4日目


自分で状況整理のため、1日1回の日記を忘れてしまうほど異常なことが起きた。


結論から言うと、どうやらここは俺が生まれ育ってきた世界とは別の世界らしい。。。


何故わかったかと言うと、そもそも早く帰らないとと焦っていた俺は、しらみ潰しに村人へこの場所の情報を集めていた。

この村の名前は『ダンデ』と言う村らしい。

日本の村にそこまで詳しくはなかったが、横文字の村の名前にちょっと違和感を持ち、この村が何県に属しているのかと聞き回ったのだが、どの村人にも何を言っているんだと言う形で首を傾けられてしまっていた。

騒ぎを聞きつけてか、一昨日、オオカミから助けてくれた二人組、ケントとアカリが声を掛けてくれた。

二人はいろんな街を旅しているとのことで、村人たちよりかは何か知っているのではないかと、おんなじ質問をしてみると、二人が何やら絵が描かれた布らしきものを取り出した。

俺は何か嫌な予感がしていたが、それが的中した。

布はこの『大陸』の地図だとケントは言い放ち、今ある場所を指で指すアカリ。

あまりの訳のわからなさに俺が頭を抱えていると、

ふと、アカリに「貴族なのにそんなことも知らないの?」と何やら聞き慣れない言葉に思わず突っかかってしまった。

よくよく聞いてみると、何やら俺が身につけている服装がしっかりしていることから、どこかの貴族だと思われていたらしい。

宿のおかみさんや、村の人が何やらぎこちなかったのは、俺をどこかの貴族だと思い、粗相がないように気を遣っていたらしい。


そこの誤解を解きつつ、自分が異世界に来てしまったことがわかってしまい、頭がいっぱいになった俺は、宿に戻り1日中考え込んでいた。


異世界に来たと言うなら、漫画やアニメとかでよくある何か特別な能力とかあるんじゃないか、と思い。自分が思いつくものを全て試してみた。


1、ステータスオープンなどのゲームなどのステータス画面が出てこないか。

 →何も出てこなかった。


2、強大な魔力なないかどうか。

 精神統一みたいに目をつぶって自分の中に何かの

 エネルギーがないかどうか。

 →何も感じられず、目をつぶっていたのかそのまま眠ってしまった。


3、強靭な肉体を手に入れているのではないか。

 →ケントに思いっきり枝で叩いてもらったが、かなり痛く。未だにアザが残っている。。。


4、いくら走っても切れないスタミナを得ていないか。

 →宿の周りを全力で走って2周でダウンしてしまった。流石に運動していたとはいえ、おじさんになったことを実感して泣きそうになった。


5、かなり遠くのものが見えるようになっているのではないか。

 →全くなっていなかった。


6、大器晩成型とか、自分の強い感情に反応して開眼する能力ではないか。

 →ひとまずこれの線で考えておく。



と、昨日は色々試していたら、そのままベットにダイブしていた。


そして今日。

俺の能力検証のために付き合っていた二人が、朝に俺のところに訪ねてきて、帰る場所が分からなくなったなら、私たちとギルドに来て欲しい。と誘われたのだった。

話を聞くと、何やらケントとアカリは冒険者ギルドというところに登録しているそうで、そこだと情報が多く集まってくるので、そこで帰る手段を探した方が良いのではないかとのことだった。


助けてくれただけでなく、俺の心配をしてくれるとは。。。

なんでいい子達なんだろう。

俺はこの子達の案に乗ることにした。

二人はこの村まで、馬できているようで、俺はケントの方の馬に相乗りさせてもらった。

流石に女の子の後ろにおっさんが座るのはセクハラになるだろうと思いそちらを当て選ばせてもらった。


馬に乗るのは初めてだったが、かなり速いスピードを出していたと思う。

あっという間に村の姿が消えていた。

馬に乗りながらケントたちが何故あの村に来たのかを聞いた。

二人の故郷も魔物に襲われて、かなり荒らされていたらしい。そこで同じく魔物に困っていたダンデの村に魔物の討伐に出てきていたらしい。


俺は、そのよくできた子供たちの話を聴きながら、サラッと出てきた『魔物』という単語に突っ込まずにはいられなかった。

どうやら、ここには人間に害なす生物を一括りに魔物と呼ぶらしい。

ますます異世界に来たんだと実感する俺は、これから生活するこの世界で、人に迷惑をかけない程度にお金を稼がなくては行けないという考えから、ケントたちに俺も冒険者として、働かないかと相談をしてみた。

ケイトとアカリは二人して顔を合わせて、「ありがとう」とお礼の言葉をかけてきた。

どちらかと言うと、俺がお礼を言いたいのに。。。

どうして二人がお礼なんてしてくるんだろうか?


今日は野宿という形で、交代で火の番をしながら、この日記を書いている。

明日はまたギルドに行って色々と手続きをするらしい。また忙しくなりそうだ。

忙しいといえば、日本の方は大丈夫だろうか。

俺がいないけど仕事は回っているだろうか。。。

戻ったら、大目玉だな。。。

下手したらクビかも。。。

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