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冒険の書  作者: リル
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1章 2話

2021年9月22日(知らない場所に来て2日目)

自分でも信じられないことが起こった。

ちょっと、軽いパニックになっているから、ここで、状況の整理をさせてもらいたい。

昨日、夢だと思いつつ催眠に入ったのだが、近くの物音で、目が覚めた。

そこには、大きな狼が複数匹、俺を取り囲んでいた。

狼は、涎を垂らし、グルグルと喉を鳴らしていた。

あまりにも現実離れした状況に、俺の頭はパンクしていた。

ボケッとしていた俺は、狼に腕を噛まれるまでその場を動けずにいた。

腕の激痛で、我に返った俺はその場を逃げなくてはと血まみれになった腕の止血をしながら、狼の群れから逃げた。

生まれて初めて狼に襲われた。

それはそうだろう、平和な現代日本では動物園に勤めでもしない限り、狼に襲われることはないだろう。。。

走っては、先回りされ、走っては、横から爪をたてながら飛び込まれ、それをなんとか躱し、人間が狼から逃げ切れることは出来ないと判断した俺は、木に登ってやり過ごせないかと考えた。

自分の体を預けることができる丈夫そうな木を探し、飛び乗って、猿の如く上に登っていった。

子供の頃、木登りしていて、こんなに良かったと思ったこともそうはないと思っていた。

狼は木の周りを取り囲み、得意の脚力でジャンプしてきたが、ギリギリ届かない場所まで登ることができた。

狼は吠えながら、早く降りてこい。などと言っているように威嚇していた。

暗くてよく見えなかったが、木に登って落ち着いて狼たちを見ることができたのだが、日本では、見たこともない模様と大きさをしていたことがわかった。

動物にそこまで詳しくない俺が、どうしてそんなことがわかったのかというと、その狼たちは額に角が生えていた。

俺が知っている狼にはそんな他のはついていなかった。

ますます、この場所が分からん。

ひとまず、狼たちが諦めてくれるまで、ここだ休んでいようかと思ったのだが、狼たちもそこまで馬鹿ではなかったらしく、ご自慢の角で木を削り始めた。


あ、さすがに終わった。。。


そう思ったのもつかの間、狼が1体、また1体と倒れていった。

その後に、人影が現れ、かなりの速さで、狼たちの首を跳ねていった。

よくよく見ると、そこには、漫画やアニメ、ゲームなどで出てくる、無骨な装備をした少女が剣で狼たちの攻撃をいなしながら、首を跳ねていた。

その首から吹き出す血と少女の綺麗な舞のような剣術、その神秘的な光景に正直見惚れていた。


ひと段落ついたところで、後から少年も出てきて、初めに倒れていた狼が弓矢で貫かれていることにやっと気づいたのだった。


その後は、時間があっという間に過ぎていった。

助けてくれた少年少女はそれぞれ、ケントとアカリというらしい。

漢字はわからなかったため、ここではカタカナで記載していこうと思う。

その二人に助けられた俺は、拠点の村まで送ってもらい。

なんとか森を抜けることができた。

俺はそこまで疲れてはいなかったのだが、ケントとアカリの説明で村人たちが心配してくれて、安静のため、村の宿に軽い軟禁状態にされた。

宿のおかみさんは、見知らぬ俺にも優しくしてくれたが、どこかぎこちなかった。

狼に噛まれたところはアカリたちが応急処置をしてくれたので、だいぶ痛みは引いていた。


そんなこんなで、森からは抜け出せたんだが、

一体ここはどこなんだ?

早く仕事に戻らなきゃ行けないのに。。。

仕事の方は回っているのだろうか。

明日は、村の人に色々と聞いて、タクシーでも呼んでもらって帰るとする。

2日もばっくれて、上司になんと言われるか気が気でない。。。

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