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冒険の書  作者: リル
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1章 1話

2021年9月21日(知らない森に迷ってから1日目)

誰が見ているか分からないから、まずは自己紹介から。

俺の名前は星河柚月(ほしかわゆづき)

しがないプラック企業で働くサラリーマンだったのだが、どういうわけか、会社で寝ていたはずが、目が覚めたのは、どこかの森の中。。。

何言っているか分からないと思うが、俺にも分からん。


多分夢だな。


それより、明後日納期の仕事だ。

寝る前に、デザインの発注と、発送場所は伝えたから、後は、後輩の町田が現場に行って会場の準備をしてくれれば、他は営業チームがなんとかしてくれるだろう。

もう一つの案件は、確か東野の担当だったはず。

あいつ定時に帰るくせに全然仕事早くないから、進捗も全然出してなかったから、やりとりしてる業者に連絡入れたら、全くできてなかったんだよな。

昨日電話で、西森にヘルプ頼んだから、そっちは状況をあとで確認して、遅れるようなら先方に連絡入れねぇと。

やばいのはこの2件で、あとは、ちょっと先の話だから、ちょっと頭の隅に置いておいて。

確か、新人の仕事も用意しないと。

町田の現場に一人行かせて、東野の方は修羅場だから、新人入れても逆に邪魔になるだけだし、ちょっと余裕があるところに入れておくか。

海斗さんところとか、確かちょっと手が足りないって言ってたから、そこに回すか。

よし、仕事の整理はこんなところか。

なんだって夢の中でまで仕事してんの俺は。。。


ちょっと自分の状況も振り返ってみる。

仕事を一旦片付けて、明日また早くから連絡のため、会社で寝袋使って一眠して、目が覚めたら、森の中。。。

うん。分からん。

仕事しすぎて夢遊病にでもなったか?

一応、起きたときに隣にあった日記帳とペンもあったから、こうして状況整理に使わせてもらっている。

仕事の整理と状況の整理をしながら、森から抜けられないかと1時間ぐらい歩いているが全く抜ける兆しがない。。。

これといって危ない人や、動物にも出会っていないため、危ない森ではないのだろうが、今日中に戻れるか心配だ。。。

携帯も圏外だし、そもそも会社に泊まる予定でもなかったから、充電なんかすでに無くなっている。

無事、森を抜けたところで、こっちの事情なんてお構いなしの会社だ。

ボロボロでもそのまま働かせるだろう。

今の案件片付いたら休みとってと言いつつ、ギリギリの仕事すぐに振ってきやがって。

それじゃあ、休み取れないのわかっているのかね、上の人は。

はぁ、なんか愚痴書いてるのも飽きてきた。

体力的にもちょっとキツくなってきた。。。

森はまだまだ続いているようだし、ちょっと休んでいくか。

夢なら、早く醒めてくれよぉ。

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