2魔人
「ありがとう御座いました。」
と‥
スゲー美人が、顔を近づけて来る。
確か、コンビニで酒買って10年振りに呑みながらだけれど帰った記憶が?親父もお袋ろも死んで居ないし、結婚もして無いんだが、
何故か泥水が口一杯に。殴られて水溜りに突っ込んだみたいだ。水溜りから青い空と白髪混じりの顔が見える。
ふと見ると、1メートル前に黒髪のイケメンが赤い眼を右左動かして荒い息で倒れてる。魔人だな。
魔人に足を掛けて踏んでるのはAランク冒険者のシュラトンだな。
隣には立てロールの貴族の綺麗なお嬢様が居る。馬車の紋章は、テオドル伯爵。
何やら話がしている。
魔人の手には、髪の毛が数本握られてた。俺の薄い髪から抜きやがったな。
慌てて起き上がり魔人に近づけて、空間から鋏と自分で作った安全剃刀を取り出し、奴の毛を刈ってやった。
声を掛けてくれた女性は、テオドル伯爵家に行儀見習いのティアラと言うらしい。
「全て見ました。魔人を倒す程の剣と魔法を‥」
パーティーのリーダー シュラトンは、立てロールのテオドル伯爵令嬢から「御礼に、我が屋敷にて食事を」と言われている。