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紫音の約束   作者: 吉田和司


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 ところが、彼女は、「禮子さんのことならこの私もよく存じておりますわ。おそらくおばあさま以上にね」と言って信じられないくらいの粘りを見せたのである。「あの方とはそれこそある時期、友達のような関係で過ごしたこともあったくらいなんです。ですから先ほどおばあさまがおっしゃった、禮子さんに対する判断には少し異論がありますの。果たして禮子さんとお義兄さまは、そんなに似合わないカップルなのでしょうか。それに二人の性格が合わないとおっしゃいましたが、合わないからこそ、お互いに惹かれ合うということだってあるのではないでしょうか。人の相性なんておそらく誰にも分からないと思います。私の経験から言っても男女の相性ほど当てにならないものはありませんからね。人の性格など、それこそ陽炎のように揺れ動いてやまないものなのに、どうしてそんなことに一々こだわるのでしょうか。そりゃ結婚するまでは相性を持ち出して色々と心配しますが、一旦結婚してしまえばそんな相性なんか気にしている暇などどこにもありませんからね、第一、そんなことに何時までもこだわっていたら、それこそ一緒に生活することなど出来なくなるではありませんか」

「まあいったいどうしたって言うんでしょう。あなたからそんな威勢のいい言葉を聞くなんて思いもしませんでしたよ。そんなに禮子さんのことが気に入っているんですか?そりゃね人は見掛けによらないということも確かにあるかも知れませんがでも見掛け通りってこともあるんですよ。それにしても不思議なもんですわね。あなたにそこまで反論されてしまうと、何かもう一度会って見る必要があるんじゃないかって思うようになってきました。いったいどうしてそんな気持ちになったのかしら。ほんとに不思議ですね」

「それじゃ、会って下さるんですね?」

「まあ、あなたがそこまで言うのでしたら仕方がないですね。でも、このことは卓には内緒にしておいて下さいね。だってあの子に知られたら、それこそいったい何が始まるのかって変に思うに決まってますからね。それだけはどうか守って下さいね」

「ええ、そのことでしたらどうかご安心下さい。それなら、さっそく禮子さんに連絡を取って、おばあさまがお会いしたいということで何とか来てもらうように私から頼んでみますね」

「でも、それだけのことで本当に大丈夫なんですか?だって、あの人だってお仕事でお忙しいのでしょう?私のようなおばあさんが、ただ会いたいからという理由だけで本当に来てくれるのでしょうか。何か理由を付けた方がいいんじゃないかしら」

「いえ、かえって理由などこしらえたら、それこそ後になって問題になる可能性があります。そこは、この私にお任せ下さい。何としてでも、たとえ頭を下げてでも連れて来ますのでどうかご安心下さいませ」

「でもあまり無理なさらないで下さいね。だってただ単に会うだけなんですから。何も彼女がそのまま卓の嫁になるなんてことではないんですからね。あまり期待を掛けるのもどうかと思いますよ」

 こうして紫音の異常な粘りでどうにかおばあさんの心をその気にさせることに成功したわけである。とはいえ、このおばあさんにしてもかなり海千山千なところがあり、紫音のいつもとはまるで違った様子から、これはどうも怪しいとすっかり疑われてしまっていたのだ。しかし、ここは一つ彼女の思う通りにさせておいてやろうと様子を見ることにしたのである。こうして彼女の怒濤の反撃がものの見事に決まり、曲がりなりにも結婚への道は開けたことになり、彼女自身も改めてここまでやれるのだという今までにないくらいの自信を持ったわけである。

 さっそく紫音は夫にうまく話しが運んだことを報告するのだった。夫はそれこそ憮然たる面持ちでいかにも興奮してのぼせ切った妻の顔を黙って見守るのが精一杯のようだった。というのも彼には素直に喜べない理由があったわけで、「自分は説得などしない。ただお喋りするだけだ」と、その宣言通りに彼女はどうやら遣り果せたらしいので、それだけでも彼の思惑が完全に消し飛んだことになり、これでますます彼女に頭が上がらなくなると思ったからである。ところが彼女の手柄をよくよく考えてみると、何もおばあさんに禮子との結婚を承諾させたということではちっともないわけで、たんに引き合わせることに成功したということだけなのだ。まだまだその先があるというわけで、実際のところそれほど喜ぶべきものでもなかったのである。いやそれどころか、そんな思い切ったことをして果たして大丈夫なんだろうかという心配もあるのだ。もしおばあさんが気に入らなかったらいったいどうするつもりなんだろう。第一あのおばあさんが、ただ禮子の品定めのためだけに呼ぶなんてことがそもそもあるのだろうか。あのおばあさんのことだ、これにはきっと何かの思惑があるのではないかと彼はそう見たのだが、そうなるとこのご対面はそれなりに波乱を引き起こす切っ掛けにもなるんじゃないかと思うのだった。そうなればこの結婚もそう簡単に決まることもなく、おそらく彼女の野心もあっけなく潰えてしまうかも知れないのだ。しかしまあ、たとえそうなったとしてもこの結婚は最初から二人にとってはハードルが高すぎたのだ。しかし、それにしてもこの茶番劇には自分の演出がかなり入っており、二人の運命をそれなりにもてあそぶことができてそれはそれで今まで感じたことのない快感を覚えるのだった。

 妻の紫音は、さっそく夫から禮子さんが今どこにいるのか確かめてもらったのだが、夫としてはあまり彼女のことに立ち入ってほしくないこともあり、正直彼女の居場所は教えたくはなかったのである。しかしそうも言ってられないわけで、仕方なく教えたのだが、それがまた高級クラブという妻の紫音にとってはまったく未知の、出来ることなら一生そんなところに足を踏み入れてほしくない場所を教えざるを得なかったわけである。もちろん夫の亮は、別に好き好んでそんな場所を教えたわけではないのだが、彼としてもほかに知らなかったので結果的にそうなってしまったのだ。とはいえ紫音にしてみれば、別にそういう職場に何の偏見も持っていなかったので戸惑うこともなく出掛けていったわけである。ところが物事はそう簡単には進まないようで、行くことは行ったのだがそこでとんでもない出来事に遭遇ししてしまったのだ。そういわけで、その経緯を詳しくお知らせするためにも時間を少しばかり遡って見なければならない。

 橘氏は退院すると、さっそく禮子に会うために昔よく通った高級クラブに出掛けて行くのだった。彼も久しぶりなこともあり何か知らないが意外と緊張しているみたいで、店の中に入ったとたん一瞬めまいがして、さしもの橘氏も、『これはどうもいかんな』と、幸先が悪いと感じて、あまりいい気持ちはしなかったのだ。しかしここで倒れたりしたらそれこそ男としての面目も露と消え、この前代未聞の結婚の真相を知ることもそこで終焉を迎えてしまうというわけだ。そんなことにでもなろうものなら死んでも死に切れんわけで、たとえ頭が少しおかしくなろうと何としてでも、あの女の真意を確かめなければならないと橘氏は決意を新たにしたわけである。

 とはいえ昔いくら羽振りのよかった橘氏でも、久しぶりに店に入ってみると以前通った時の店の様子とはまったく様変わりしていて、何となく初めて来る客のようなどこか心細い気持ちになってくるのだった。しかしそんなことではどうもまずいわけで、彼としてはどうしても以前のような自信に満ちた橘氏でいなければならないわけで、おどおどしたりしてはすぐさまあの女に見透かされ、そのまま適当にもてあそばれておしまいなんてことになるのが関の山なのだ。そうならないためにもここは一つ太っ腹なところを是非とも見せなくてはと思い、それなりの出費も覚悟していたわけである。でもあまり調子に乗って興奮してもまずいわけで相手の気持ちもよく考えながら、そこはうまくやる必要があると橘氏も自らを戒めたわけである。そういうわけでさっそく、あいかわらずの美貌を誇る店のママに挨拶すると前もって事情を知らせておいた甲斐もあって、お目当ての禮子嬢にもすんなり会うことが出来たのである。しかしこれには彼女も最初は嫌がったらしいのだが、そこは以前お世話になった方でもあり、まさか知らんぷりも出来ないわけで、この突然降って湧いた昔の恋人の出現に禮子も正直気が重かったのである。

「まあ、ほんとにお久しぶりで、いったいどうされてしまったんですか?」と、彼女としてもまず何事もなかったように明るく振る舞いながらも、この際何としてでも、この爺さんに引導を渡さなければならないと覚悟を決めるのだった。「だってあれほど贔屓にしてくれていたのに、あれ以来ちっともいらっしゃらないんですもの。これはきっと気を悪くしたに違いないって、ずっと心配していたくらいなんですからね。ほんとに嫌なお方。でもあなただってたぶんあたしのことを嫌な女だって思っているんでしょうね。それも無理はありませんけど、でもね、あれ以来あなたのことはずっと気にはなっていたんですよ。まあ信じてはくれないでしょうが。あたしもね、あれから色々と考えたんですの。もちろんあなたのことも沢山考えました。でも一番考えたのは自分のこれからの人生ですの。ですから、あなたもどうかご自分のこれからの人生のことを考えて下さいね。だって、さよならだけが人生だってそういう言葉もあるくらいですからね。あたしもね、このところ人生とは確かにそういうもんだって思うようになりましてね、だから、あなたにも二度と会えないんじゃないかって思っていたくらいなんですから。でも、お元気そうでなによりです」

「ところが、そうでもないんだよ。いやまあ、こんなことを言うと嫌みに聞こえるかもしれんが、きみと別れてからというもの、どうも調子が悪くてね。で、この間病院で診てもらったんだが、それが何とうつ病ではないかなんて言われてしまったんだ。これにはどうも参ってしまったってわけさ。いや、でもそんなに心配するほどのことではなかったんだがね。まったく歳を取ると色んな経験をするもんだってつくづく思ってしまったんだよ。ところで、どうなんです。禮子さんも元気に毎日を過ごしていらっしゃるんですか?何か噂によると、結婚するとかしないとか何かそんなことが私の耳にも入ってくるのだが、いったい本当なんですか?いや、何も変な意味で聞いているんじゃありませんからね。ただ、私だって、あなたの幸せを心から願っている人間の一人ですから、ただ何となく気にはなるんですよ」

「まあ、きっとあなたも色んな噂に心が乱れているのかも知れませんが、あまりつまらない話しに気を取られ過ぎると、それこそ酷い目に遭うことだってあるのですから、そこは、ちゃんとご用心なさって下さいましね」

 橘氏は、この女は果たして自分が事故を起こしたことを知ってるのかどうか、さっきからずっと気にはなっていたのだが、どうやらあの男からその情報は得ていると見て間違いなさそうだと思ったのだ。それならちょっと鎌をかけて、どう反応するか見てやろうと思ったのだ。

「確かにそういうことはあるね。だからさ私も最近車に乗るのも注意はしているんだよ。まあ歳もある程度取って来れば、それは当然なことだとは思うがね」

「ところで、お嬢さんはお元気ですか?」と、橘氏の思惑など何のその、あっさりとその矛先をかわしてしまったのだ。

「どっちの、お嬢さんですか?上のか、それとも生意気な下の娘ですかね?」と、いきなりのかわし技に、こっちも少し頭にきて自然とぶっきらぼうに聞くのだった。

「どちらであっても、あたしにとっては懐かしいお嬢さんたちですわ。でもまあ、どちらかと言えば上のお嬢さんのことをお聞きしたいのですが。あの方もどうやら柏木家に嫁いだようで、その後うまくやっているのでしょうかね。いやね何やら変な噂があたしの耳にも時より入って来ましてね」

「いったいどんな噂なんですかね。しかし、あの子のことならそんな心配はいりませんよ。だって、どうやらあそこの家族たちにとても信頼されていることが分かったからです。これは決していい加減な噂話ではありませんからね。信用のおけるある人から直接教えてもらった情報なんですから。ですから、あなたがどんな噂話を聞いたのか知りませんが、そんな話しはどうか信じないでやって下さいね。あの子の名誉のためにもまたあなたの信用のためにもどうか冷静に対処してほしいものです。それじゃ今度は、私の方から一つお聞きしたいことがあるんですがよろしいでしょうか。というのも、とても気になる情報を聞いてしまったからなんです。もちろん、そんなことはまったくのデマかも知れませんし、こっちも頭から疑ってはいたんですが、何分それだけでは本当に信用していいものかどうか分かりませんからね。まあ、そんなこんなで、私もここしばらく眠れぬ夜に苦しめられたってわけなんです。まあ、そんなことはどうでもいいんですが、要するにその情報によりますと、どうやらあなたも身を固めようと決心されたようで、いや、それはとてもめでたいことではあるんですが、それがまたあまりにも突飛な話しだもんでね、なかなか信じられなかったんです。つまりあなたの結婚相手というものが、どうもその、何て言ったらいいのか甚だ奇妙なものでしてね、おまけに、このまま行くとあなたとはどうやら親戚関係になるかも知れませんからね。これにはどうも私も正直びっくり仰天したってわけなんです」

 どうやら橘氏も最初の思いとは裏腹に、なぜか突然心の戒めがほどけてしまったようで、その話し方もどこか嫌みっぽく相手に対する配慮も少し欠けていたように思えるのだった。しかし禮子はこの時、いったいどこからその情報が漏れたのだろうと不審に思ったのだ。まさかあの人が漏らすことなど考えらないので、それなら亮が漏らしたとしか今のところ考えるしかないわけで、まったく、どこまで余計なことをしてくれるのだろうと、この時ばかりはなぜか(はらわた)が煮えくり返ったのである。

「橘さん、もしあたしがあの人と結婚したら、あなたはいったいどうなさるお積もりなんですか?いやね、あたしもそのことはずっと考えていたんです。だってあなたにしてみれば、たぶんあまり面白いことではないでしょうからね。でもね橘さんあなたももう少し冷静になって物事を考えて見て下さいね。世の中、何も色恋いだけで動くものではないということをね。あなたも、もう還暦を過ぎたいい大人なんですから、それくらいの弁えはどうか持っていてもらいたいもんですわ」

「なるほど、あなたのおっしゃることは至極もっともなことですよ。そうですか、それなら私も自分の年齢にふさわしい考えをここで示す義務があるというもんですな。確かに世の中、色恋だけで動くわけではないということは、まったくその通りでして、いくら男女の間でもそう何から何までそういう原理で動くなんてことはあり得ないわけですからね。あなたのおっしゃることは実に的を射ているし、若い人にも、いや、若い人はまだ無理かもしれませんが、それでも実に参考にはなる意見だし耳を傾ける価値はありますよ。そういうことなら私もですね、今夜はとことん飲みますから、どうか皆さんもご一緒に彼女の結婚を大いに祝福して上げようではではありませんか」こう言って、彼はここは一つ腹を据えて彼女が言う所の「世の中、何も色恋だけで動くものではない」という、どこまでも曰くありげな彼女の思想を心置きなく、じっくり聞いてやろうと思ったのである。いったい彼は何をそんなに興奮してしまったのだろうか。もちろん彼の横にはべるホステス嬢たちには皆目見当もつかなかったのだが、ただ禮子だけは、どうやら橘氏の心の変化に気付いたようではあるが、それはただ気付いたというだけで実際のところはっきりとは理解していなかったようだ。

 こうして、やたらに橘氏が盛り上がり始めたちょうど同じくらいの時刻に、この店の近くに紫音がその姿を現したのだ。日も暮れて、この界隈もすっかり夜の街へと変貌し出した折も折、容姿端麗な美女が一人で何かを探しているような様子でウロウロしているのを見れば、それこそ声の一つでも掛けてやりたくなるのが人情というものである。現に一人のいかにもいかがわしい格好の男が近づいてきて、「お嬢さん何かお探しでしょうか」と言って、ちょっかいを出して来たのだがら彼女も少しは用心しなければいけなかったのだ。ところが彼女はこれ幸いと、その怪しい男に、「実はこの店を探しているんですが、ご存じありませんか」と、メモ書きを差し出すのだが、少しは相手を見て判断しろといいたくなるほど彼女は何のためらいも見せずにその男にすり寄ったのである。するとその男も、そのあまりにも用心しない落ち着いた態度に、これはひょっとしてその道で働いている女かも知れないと思い、変に対応したら後々問題になるので、ここは一つ親切にしておこうと思うのだった。彼女は、自分がすっかり誤解されているとはつゆ知らず、「ラビリンスというお店なんです。確かここいら辺にあるはずなんですが」と言って辺りを見回すのだった。するとその男は、「ええ確かに、この辺りは迷宮のように色んなお店が入り乱れていますから、なかなかお嬢さんのような方でも探すのは一苦労だと思いますよ。でも大丈夫です。この私めが迷うことなく、ちゃんとその場所までご案内いたしますので、どうかご安心下さい」と言って、その気のいい伊達男は、彼女をその店まで案内するのだった。すると男は、なぜか彼女より先にその店に入って行き、そこでその店の関係者とおぼしき人物と何やらヒソヒソと話し始めて、しばらく二人だけの会話が続くのだった。しかし、ようやくけりが付いたのか彼女のもとにやってきてこう言ったのだ。

「失礼ですが、お嬢さんはこちらのお店は初めてなんでしょうか?」

「ええ、もちろん初めてです」

「それなら、これからある場所に行って頂いて、そこで面接をしてほしいのです」

「いったい何の面接ですか?」

「もちろん、ここでのお仕事の面接です。だって、あなたはそのためにここを探していたのでしょう?」

「まあ、どうしましょう。あなたのご親切は、とても有り難かったのですが、どうも説明が行き届かなかったためにとんだ勘違いをさせてしまったようですわ。これは本当に失礼いたしました。まったく違うんですのよ。あたしはただ、ここのお店で働く依代禮子さんという方にお会いしたためにやって来たのです。ただそれだけんなです。ほんとにごめんなさいね。ああ、でも、ちょっと待って下さい。もう一つだけ、あなたのご親切に甘えてお願いしたいことがあるんです。どうか依代禮子さんにお取り次ぎ願えるよう力をお貸し願えないでしょうか」

 男は、自分の思い違いにいささか恥じ入ってしまったのか、彼女のお願いにも素直に応じたのである。

「ええもちろんそんなことはお安い御用です。いや、あなたがあまりにお美しい方だったもんで、もしかしてその道の方ではないかと勘違いしてしまったのです。誠に申し訳ありませんでした。それでは、すぐにでも分かる人間を寄越しますので、今しばらくこちらの部屋でお待ち下さい」こう言って、その伊達男は、すっかり恐縮して、そそくさと店の奥に引っ込んでしまったのだ。

 するとしばらくして先ほど橘氏を迎えたこの店のママが部屋に入って来て、さっそく紫音に用件を尋ねるのだった。

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