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アニメ

転スラ

作者: とびうお君

 ちょっと前置きを長くしようと思う。今なろうへの風当たりがネットで悪い意味で強い。それをずっと言及してるが、その中身は単純に一枚岩ではない。分類可能だと思う層が形成されていて、それらは常に同じ方向を向くわけじゃない。分かりやすくいうと覇王やスマホはどの層のネット評価は低い。


 ただそれはただ見てる人に距離感が近くなる層がある。その原因は否定的評価に現れる。肯定と否定は裏表ではない。人は否定的評価を多くの人に向かって簡単には出来ない癖がある。これは社会生活をしていればピンと来ると思う。この2つは同等ではない。ツイッターなど肯定的評価が多めの書き込みはより見て楽しんでいるだけの人に近くなる。


 それゆえ、否定的評価が多くナリガチな2chの感想と、アニメ評価サイトなどの評価感想では後者の方がより見て楽しんでる人に近くなる。この作品は後者にはそれほど評判が悪くない。その点覇王やスマホとは違う。今回はこの2chだけで強く否定される理由を考えてみたい。


 基本的には、ネット全体の評価よりも少数なので特異で片付けられる。だが、一部無視できない面白い書き込みがある。転スラはなんとなく子供向けっぽいと言う指摘になる。これが一部だけならそうかな?だがかなり多くの意見でこれだけはばらけた意見にならない。大体がそうだと同意する人が多くなる。そこに否定的評価をする人で濃い人の価値観が均一になりやすい層の形成を私は感じ取っている。


 私は面白いと思ったのは、普段は出鱈目で取るに足らないと思うのだが、正しいとは思わないが、これ意味があると感じたから書いている。まず転スライムは少年誌にありがちな絵柄のデフォルメが強い。絵が根本的に単純化された漫画的だと思わせる。ただここで作画が悪いと勘違いしてはならない。


 それを判別する高度な技量は私には無いが、直感的にこれ金掛けていると感じている。通常枠の少年誌由来の漫画原作アニメの絵がしょぼいのは、まず独特の絵柄にあり、それを再現するとそうなってしまう点と、東映のアニメ化が多いのだが、東映はお金儲けとして削れるコストは徹底的削り、大体映像を犠牲にする事が多い。


 次に、通常枠は放映料が高くて、その分浮いたお金を深夜アニメは映像に回しているため、コストって点で単純に金を掛けてないわけじゃない。漫画の絵柄のせい、この部分が転スラは共通した部分がややあるが、通常枠にあるいかにも金かけてないなって点は全く感じない。その差がどう生じるか?を言語的に書くほど私はアニメーションに詳しくない。


 一番簡単なのは枚数だが、そうじゃない、1枚絵自体が絵柄がやや少年誌っぽいが何かこってると思わせるものがある。今期少年誌とは違ういかにも深夜的絵柄ならSAOがその典型だろう。違いは一目瞭然で分かる。深夜らしい金のかかった映像美である。これが京アニのヴァイオレットエバーガーデンなら写実的背景とやや投身の高いキャラデザなどで写実に近い部分がある。それで解決できるが、転スラはそんな単純な違いじゃないので説明する私の力量不足でここまでにしておく。確かに印象は子供向けに近いのは間違ってない。


 基本、なろう作品はアニメに金が掛かってない。オーバーロードなんて1期は全く期待されてなくて、絵師の絵柄もどうなの?って癖の強い部分があり、絵的には期待されてなかった。当時の失望を私は良く知ってるので、後からブレイクして無かった事はならない。なろう系で映像がかなり凝ってるという作品は多分魔法科しかない。


 それは電撃と言う大きなレーベルのおかげで、なろう系だからじゃない。次点としてダン街もかなり良かった。後、そこそこと言う点でなろうじゃないが、なろうっぽい作品で前期の魔王も悪くなかった。このすばはややこしい話しになるが、2期のタイミングが問題で、あの2期はかなり早くから計画されていたっぽくて、映像のプランをやり直したか?は分からない。


 このすばは判断に難しい。スマホや覇王は明らかな低予算。初歩的レベルなので素人でも分かる。絵柄が度々微妙になる。安定感が無い。このすばはわざと崩してる面があって、失敗してるのか?狙ってるのか?が素人目には正直判断できない。デスマはどうか?でこれもなんとも言えない。魔法科を頂点とするなら良いと断言できるほどじゃない。


 その経験があるため転スラは悪い部類とは全く違うと書いてる事に繋がる。子供向けに共通する低予算の映像の雑さでは無い。元々のデザインが多分そういった万人向け少年誌漫画デザインとして完成されてると感じてる。


 さて、実際は内容についてなのだが、多分その内容も絵柄の微妙な方向性の違いが影響してるだろうなと思って書いてる。言及してる人は少ない。絵は転スラ独自の部分だが、内容は違う。なろう系は主人公以外の登場人物の頭が悪いって特徴がある。そこが幼児向けに似てるって点。これは少年誌よりさらに下だと思う。


 これは事実だと思うが、問題はそれが幼児向けとそっくりなのか?なら多分全く違う。その違いが何故生じるか?が分からない。1つはっきりしてるのは、意図的に子供の知的レベルに合わせて落としてる分かりやすさと、読者に読む負担を生じさせないようにしてるわかりやすさでは全く質が違う点。


 文学や一般小説を最高点として、リアリズムをベースにした物語と較べたら、明らかになろう系は劣っているだろう。ただアニメを見てる人はそんな水準は求めてない。深夜アニメ以外のもっと広い物語の水準に較べて微妙になろう系は低レベルな知性の主人公以外は登場人物が多いとは思う。


 問題は、だが深夜アニメ平均ならなろう系は極端におつむが弱い人物ではない。これはけもフレのときと同じで、そもそも深夜アニメ平均はは?って思う頭の悪い行動が基本多いキャラが多い。なろう系やけもフレは特に低いとは思うが、だからってそれが決定的に面白さをそこなうほどのレベルと意識できるか?なら無理。


 真実は分からないが、幼児向けほど滅茶苦茶なレベルを感じは居ない。何故ならなろうの読者はじゃ幼児向けを好むのか?ならまず否定されるだろう。不当な印象操作で転スラをはじめとするなろう系は貶められてると判断したので書いている。方向性として低レベルな知性の方向性はある。だが、それが幼児向けと変わらんと言い切れるか?なら無理と書く。


 根本的に何故漫画が多くの人に読まれるか?が2chの住人は分かってない。そしてアニメ評価者はそれが一応感覚的に分かっている。ベースが子供向けにあるから、気軽にあまり頭を使わず楽しめる。それを知的さを追求すれば漫画全体の物語の良さが損なわれてしまう。大衆は馬鹿なのではない、意図的に普段の知性を落として楽しむための物語を求めた結果、子供向けがベースの作品が相応しいと感覚的に理解できたとなる。


 その前提で見る限りは、転スラは多分出来が良い。主人公以外の登場人物の知性の高さに漫画物語の大半は出来が関係ない。おそらく別のベクトルが存在する。それが何か?は私も分からない。そしてその水準はだからって幼児向けのようなものじゃない。


 アニメ漫画ラノベにとって対象年齢と言うのはものすごく大きなテーマで、これがかなりの部分である作品の肯定否定の火種の原因になっている。漠然とした知性レベルもそうだが、ラノベは分かりやすいが、思春期に生じる性の刺激が強い。これを幼児が楽しみとして薄くなるので峻別できる点がある。


 だが転スラはその部分弱い。これはけもフレのようなケモナーを扱ったものじゃなくて、シンプルにモンスターを描いてるためである。これは同様にその点が弱いオーバーロードにも共通する。内容的に子供向けじゃない。それはそれほど難しくない。ただオーバーロードほどそれが分かりやすくない。


 オーバーロードは子供向けとして相応しくないのではなくて、親が子供に見せたくないものになるからになる。人間をごみのように扱うモンスター主人公が自分の目的のために楽しく暮らすような作品は子供向けではありえないからになる。転スラはそこがはっきりと差別化している。モンスター主人公として内容が子供向けっぽく見えるのはそこにある。


 ただそれは子供向けとしてはありえないだけで、転スラは大人向けじゃありえないというわけじゃない。むしろオーバーロードは異端少数派の作品で、内容によって子供向けを分けられるわけじゃない。同じモンスター主人公って点で相対的に子供向けに見えてしまうだけ。


 内容的に明確に子供を排除するようなものが転スラには無い。この点は子供向けと登場人物の知性の低さと絡まって見えてしまうのは仕方ないと思う。ただそれなりに緻密に仲間を集めるまでは、子供向けでも共通するが、集団をまとめて何かの方向性を見出していくというのはこれは大人向けだとはっきり分かる。


 教育的観点からそういう芽生えはやるが、転スラはそういった目的が無いのは当たり前だし、芽生え的なものじゃ全く無い。その点で転スラの内容は子供向けとは言えない。じゃ内容によって判別してるだけで、幼児向けレベルの知性の人物ばかりなのか?ならここは感覚的に違うとしか言いようがない。


 どれだけレベルを落としても、登場人物たちは幼児の行動じゃないんだ。幼児番組は共感からそうしてるわけじゃない。そういった違和感を感じないから、トレードオフで幼児の刺激となる部分が突出するため犠牲になってるだけだ。その閾値はきちんと守られている。このトレードオフこそが漫画文化を支えていて、対象年齢の問題がとても根深い問題になってる部分。


 面白ければ犠牲になる何か?これが文学、一般小説に対してとても大きい。だがそれは無制限じゃない。けもフレや深夜の平均値を下げてるきららもふくめ、なろう系もその限界に挑んではいるが、同一ではおそらく無い。その根拠は無い。だがその根拠はいずれ見つけ出すとしておいていい。逆に根拠も無く同一だというのも間違ってる。


 印象操作だと言うのがこれで分かると思う。


 一部の漫画をとれば差があるのは認めよう。だが漫画全体では、なろうが突出して登場人物の知性が低いか?ならそんなの分からない。対象年齢を考えて分かりやすくするのと、面白さのために人物のリアルな描写犠牲になって結果馬鹿になるのは、おそらく質が違う。それは文学、一般小説も一応抱える問題だから。


 それを分かりやすく言うと一つの面白さとしてご都合主義がある。ある面白い展開を重視すると、大体登場人物の年齢に相応しいリアルな知性は犠牲になる。これは対象年齢に限った話じゃない。その失敗がすべて子供向けと酷似するか?なら分からない。ただ同一だといえるほどの根拠も逆に無い。


 子供にも分かりやすく作るのと、結果として面白さの犠牲になるのは同一じゃないだけは言える。子供にとっての面白さの犠牲になったリアルな知性と大人の面白さのために犠牲になったリアルな知性のレベルが同一なのか?は疑問が残る。


 なろう系について考えるときに、この問題はネラーはなろう特有の問題にしたがるがネット全体の評価者はそんな風に単純化してない。なろうだからで判断されない。なろうでも自分達にとって面白いものと、面白くない序列がきちんと生じる。ただしその序列がランキングとはまるで一致しないのは今回の問題とあまり関係が無いので置いておく。


 以前も書いたが、なろうのランキングの納得出来なさはアニメじゃなくて、小説層の知的刺激によるもので、なろう序列とアニメ序列の差についてはネットで書き込む層全体では正直分からない。それについては、おそらく私が書いたアニメとなろうの層の受け止め方の違いが大きいだろう。


 今回は2chだけに絞った話しで、彼らはなんとなく小説層に近いものを感じる。もちろん同一じゃない。その点小説層ほどは分かりやすくない。だが程度の違いで根底の部分は多分似ている。

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