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【箱】詩

いたい

作者: FRIDAY

 

 「痛い」

 と響いたのは君の音

 小さすぎて 誰にも届かない


 「痛い」

 と反響したのは君の音

 弱々し過ぎて 誰も気付かない


 「痛い」

 と震えたのは君の音

 ただ偶然に 僕が拾った


 

 「なにが痛いの」

 そう問うても

 君は膝を抱えて答えない


 「どこが痛いの」

 そう問うても

 君は俯いて答えない


 「どうして痛いの」

 そう問うても

 答えはか細くて聴こえなかった


 君は笑わない


 君は泣かない


 君は怒らない


 君は喜ばない


 髪が顔に陰を差し

 君の表情は窺えない


 ただ「痛い」とだけ囁く

 吐息のような音をもらす


 なにを見たの

 なにを聴いたの


 君は答えない


 震える身体を抱いて

 小さなその身をさらに小さく


 怯えたように

 竦んだように

 恐れたように

 苦しいように


 ただ

 「ここに居たい」とだけ

 囁く

 

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