1話
初めての作品です
すごく初心者なので、いろいろアドバイスをいただけたらうれしいです。
一年間約365日。
長く感じる人もいれば、短く感じる人もいる。
私はどちらかというと前者であった。
百超えなんて長いに決まっている。
しかし、それはあの日までの話であった。
「ん...」
時計を見ると、10月13日の早朝3時。
昨日は日曜だったから、朝の10時からずっと寝ていた。
半日以上も寝たせいか、頭が少しぼーっとする。
「外の空気でも吸おっかな。」
適当に着替え、真っ暗な外に出かけた。
やや冷えた空気に震え、私はまだ見慣れない町で歩いた。
親の仕事の関係で、よくあちこち引っ越したりする。
そのため、転校も多々で、友だちあまりいない。
この街には先週に引っ越してきて、赤出高校に転入したが、一週間も経ったのに、私はまだクラスに溶き込められてない。
別にクラスメイトたちが冷たいとわけではない。
私が一方的に遠慮しているからだ。
どうせまた別れる。
無駄な思いでや関わりを作ってもあとからつらいなだけ。
「ここは...」
いつの間にか近くの川辺まで歩き、私は草の上に寝転んだ。
草と新鮮な空気の香りに包まれ、目を閉じた。
時間が過ぎ、知らない間に寝てしまったのに気付いた。
「あぁ、しまった...って、まだ朝の6時か。」
ケータイで時間を確認し、上体を起こした。
まっ、たとえ遅く帰ってもどうせ親は仕事でいないだろうし、大丈夫か。
「うわぁぁっ...!!」
そろそろ帰ろうと立ち上がろうとしたら、隣に黒い塊があった。
「びっくりした...」
よくみたら黒いジャージを着た男だった。
彼も寝ているようだ。
「きれいな顔...」
長いまつげに白い肌、そして風になびく柔らかい黒い髪。
思わずじーっと見ていたら、彼はいきなり目を開いた。
「!!!」
お互い驚き、パッと目をそらした。
「ここ俺のお気に入りだよ!気持ちいいよね!でもこんなに早く来た人初めて見たよ。すごく気持ちよさそうに寝てたから、俺まで寝てしまった。」
すると彼から話しかけてきた。
「えーと...?」
彼は何回か瞬きをし、にっこりと笑った。
「俺のこと覚えてない?笹村 凛さん。」
笑顔まぶしい...
それより、今なんて?
「なぜ私の名前を...?どちらさまですか?」
不審な目を向けると、男は慌てて手を横に振った。
「変な人じゃないよ!!俺は同じクラスの天野 翔。まだ覚えられてないか。」
苦笑いしながら少し困ったように頭を掻いた天野翔の顔を見て、思い出そうとしたが、記憶になかった。
「ごめん。」
いくら興味なかったとはいえ、やはり人の名前を覚えてないのは失礼だと思った。
だから正直に誤ったら、彼はまた笑った。
「大丈夫大丈夫、うちのクラス人数多いからね。じゃ、改めてよろしく!」
そう言いながら、天野翔は私に手を伸ばした。
「あ、あぁ。」
一瞬戸惑い、握手をした。
すると、彼は手を放そうとせず、じっとこちらを見つめた。
「あのー?天野...くん?」
「あ、ご、ご、ごめん!気にしないで!じゃまた明日!!あと俺のことは翔でいいから、ばいばい!!」
そう言い、彼は手を振りながら走って行った。
なんか、朝から爽やかなやつに会ってしまった...
「翔...」
彼の名前を呟いた。
名前くらい覚えとこ。
そう考えた私の口は少し緩んだ。