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≫美味しい≪

とりあえず、俺は突如俺の部屋にヘッドスライディングをかましてきやがった幼女をおんぶして、大家さんの部屋に出向き事情を説明することにした。


大家さんの部屋は、確か101、そう聞いていた。


ここが101だな…


特に代わり映えのしない普通の部屋。ピンポンを押そうとしたら

「こしゅも…」

ひぇぇぁ!?あまりの衝撃にとても俺の声帯から出せるはずもない気色悪い声が廊下に響いた。この得体の知れない幼女が…俺の名前を口にした!?なんで俺の名前しってんだこいつァ!


≪ガチャ≫


おい!また勝手にドアが空きやがった! もうなんか立て続けに変なことが起き続けているせいであまり驚かなくなってきた自分がいることに少し戸惑いを覚えてきた。

それにしてもここのアパートは次世代のキーシステムでも搭載してやがんのか…。

しばらくすると、大家さんが出てきた。俺の先入観では、肝っ玉母ちゃんのような中年くらいの方が大家さんだと思っていたのだが…中から姿を表したのはどう見ても高校生のような人物。


「あのー」


「ちょ…あんた!キー子になんてことしてんのよ!」


「あ、ちょ、ちょっと!」


彼女は、俺がおぶっていた〈キー子?〉を奪い去った。


「だいたいアンタ誰よ!なにしにきたのよ!」


「いやいや、俺は201に今日引っ越してきた蓬田(よもぎだ)というものですが!!」


「あー、あんたが。フン!なまけづらしてるわね。」


なんだこいつ、めちゃくちゃ生意気じゃねーか。見た目も、金髪で、ツインテ、さらに吊り目と来たもんだ、こいつはツンデ…


「誰がツンデレよ!」


彼女の声に聴覚が反応をするよりも先に、彼女の手が俺の頬をえぐっていた。


〈パーン‼〉


「ってーななにすんだよ!」


「っさいあほー!自業自得じゃ!」


俺今声に出してなかったよな!?心で思っただけだよな!?なんで把握されてんの…


「なんで把握されたかってか?私、心読めるんだよね。まぁこれ以上は言わないけど」


っっ!!!まぁいいや。


「ところで本題戻るけどよ、そいつ誰だよ」


「あんたの隣の部屋に住んでる子よ」


「さっきキー子って…」


「まあ一応知り合いなもんでね、この子、≪鉤島(こじま)稀魅佳(きみか)≫って言うの。


キラキラネーム…


「あの、大家さんの名前は…」


「私はねー、心城(しんしろ)優衣(ゆい)って名前。」


「あんたの名前は…なんかガソリンスタンドみたいな…」


「だぁーれがコス○石油ですか!!!コスモスです!!」


「ふーん、めんどくさ…こすもでいいわね?」


「お、おう…」


内心女子からあだ名とかで呼ばれてめっちゃアゲアゲ↑↑で友達呼んで祝賀会とか余裕でやれるくらいテンションは上がってるんだが…


「なんだ、ほんとは嬉しいんじゃないの」


ゆいはゲス顔をしながらそういった。


あっ!!こいつ心読めるんじゃねーか…しにてぇ…


「まぁ、キー子は私が部屋に返しとくわ。この子、まだ色々と未熟だから、コスモにはいろいろと迷惑かけるかもしれないわ。でも、そん時はあんたがなんとかしてあげてね。べ、別にあんたに任せたとか、そういうんじゃないから!いざとなったら私が助けにいくから!」


「いろいろと…?」


「いろいろとよ!それで納得しなさい!」


「お、おう…」


大家さんのツンデレは美味しかったが、このキー子がどんな子なのかが謎すぎる。さすがの名探偵コ○ンでも迷宮入りしてしまいそうなくらい謎すぎる。まぁいずれにせよわかるか…


「ところでさ、あんた、アパートの人達に挨拶周りとかしたの?」


「いや、まだ…ですが」


「馬鹿ねぇ、ここの人達変な人ばっかだから挨拶周りくらいしとかないと後々面倒よ!私がついてってあげるから行きなさい」


やっぱり変人が多いのか…


俺は彼女と、キー子を、俺の部屋の隣である202号室に戻し、203号室の人から挨拶周りをすることになった。


のだが…


203号室を訪れたのだが、そこからは黒い煙がもくもくと溢れ出してきていた。そして異様な熱気が203号室から放たれていたのである。



≪しにたい≫


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