≫ちょ、≪
ざわ…ざわ…
合格発表直前、俺は今友達と一緒に駄弁っている。
なんの合格発表かって?高校さ。この高校は、県内でもトップ5に入るくらいの高校で、正直、俺なんかが受かるのかどうか不安なのだが…
「おい誰に喋ってんだよ。そんなことより発表されてんぞ。早くいこーぜ」
そう言って友達は安定の運動音痴ぶりをさらけ出した走り方で発表されてるところまで駆け出していった。
俺も続いて走っていった。
(おい…嘘だろ…)
俺の番号が、ない…何度さがしても俺の番号は…ない…
「おい!宇宙!!どこいくんだよ!!」
俺はなにもかもが嫌になり一人で涙で顔を歪ませながら家に直行した。
どーせあいつらは受かってる…。もうあいつらに会わせる顔なんて…
絶望だ。
母親に、高校が落ちたことを伝えると母親は烈火の如く怒り、散々罵声を浴びせてきた。
俺はズタボロ、でも希望はまだあった。
俺にだって、滑り止めの高校くらい1つはあった。
【聖スコンドネル・リバース高校】
もう、名前からして近寄りたくない雰囲気を纏っている。
生徒も変人が多いと有名な高校である。
まぁ、その通称リバ高とやらに通わなければならなくなった俺は、自宅から高校までが余りにも遠すぎるために、一人暮らしを余儀無くされた。
住む場所は、母親によって勝手に決められた。
アパートらしいのだがまず度肝を抜かれたのがアパートの名前。
>>ايغيقابللي<<
そう、読めない。
なんなんだここは……
なんでも、母親は≪安いから≫という理由でここにしたんだとか。
入り口から既に死亡フラグが立っている建物を初めて見た。
しかし見た目はいたって普通。あのよくある感じのボロい2階立て のアパートだ。
部屋は8部屋ある。
俺は、201号室に住むようだ。
空き部屋がない…これは少し意外。みんな物怖じして逃げ出しそうな建物なのに。
(ガチャ)
ほんとに見た目は普通だ。部屋が1つトイレ風呂キッチンがある。
生活に必要最低限のものは揃ってる。
とりあえず、玄関の表札に名前を書いておいた。
〈蓬田宇宙〉
みんな大抵は読めない。これで*よもぎだコスモス*と読む。なんとも死にたくなる名前だ。俗にいうキラキラネームってやつ。20になったら改名でもしようかと(真顔)
まぁそんなこんなで荷造りしてるうちに夜を迎えたわけで。晩飯を食べてる時に異変がおきた。
「ドーン!ドーン!」
壁ドン!?…
壁ドンって、隣がうるさかった時とかにするもんだろ?俺がいつ騒いだ、え?え?
軽くパニックに。深呼吸深呼吸…
フゥーッ。少し落ち着いてきた。と思いきや
≪ガチャ!!≫
え!?
俺の部屋が勝手に開いた!?もう恐怖しかなかった。すると勝手に誰かが部屋に入ってくる。
バタッ
入ってきた人は、廊下で突然倒れてしまった。
え?え?え?もう動揺しすぎてむしろ冷静になるというなんとも形容しがたい感覚に襲われながら、俺はその謎現象の根源へと近づいた。
髪は…緑色、吸い込まれてしまいそうな綺麗なエメラルドグリーンの髪が腰の辺りまで伸びている。華奢な体は今にも折れてしまいそうだ。そしてなぜか全裸。これについては全くもって意味がわからない。みたところ小学生?のようないでたち。
感想はただひとつ
>>お前誰だよ<<