03 生まれて6日経ちました。
後々にでも、あとがきにまだ聞き取れてないセリフの伏字なし版を載せていこうなんて思ってます。
「ファリアス、ご飯___飲ん__。」
頭上から声がして体を持ち上げられる。
ご飯…?ご飯だ!!
お母さんのお乳を飲みながらぼけっとここ数日を思い返してみたら、まだ生まれて6日しか経ってないみたい。
そう、まだ6日。
されど6日。
この6日間は濃かった…。
まず、生まれたあとへその緒切って産湯に浸けてもらって、
新しい服というより布を巻いてもらった気がしたらなんか声がして、
もっと良い布にかえてもらったでしょ。
そして、ずーっとベットの上でママっぽい人にあやしてもらって、ぐずって寝て笑って唸って食べて現在に至る。
あれ…思ったより薄かったかな、
疲労感だけは感じてるのかな…。
なんて思いながらお母さんのお乳を吸っていると、
バンっとドアを開ける音が聞こえた。
「ファリアス!」
男の人の声。
「_____!ファリアス、______?」
「ー、ーーーーーーーー?」
さらに少年っぽい声が続けて2つ。
あ、また来たなっ!
男三人衆っ!
しょっちゅう見に来て騒いで私の名前を呼んでいるお父さんとお兄さん(らしき人たち)。
にぎやかなことこの上ない。
が、
落ち着いて飲めない!
「う、ぉぎゃ、おぎゃあああああああああ!!!」
てことで、激しく泣いてやった。
「~~~、静か~~~~!ファー~~~~~~~。」
お母さんが少しキツめに何かを言っている。
あ、雰囲気が一気にしゅんとした。
すると、少し離れて穏やかなトーンの複数の女の人の声も聞こえる。
たぶん女中さんかなぁ。
とにかく皆よくしゃべってくれるから、若干単語なんかはお察しだよね。
6日で。
子供の脳ってすごい。
生まれてすぐ教えると良いって、前世で誰か言ってたような。
それで、何度もつぶやかれる≪ファリアス≫というのが私の名前。
さぁここで現実を見よう!の時間です。
そう、最初に感じた【下半身の違和感】とやらは事故のせいではなかったのだ…
私、男♂になってる
「_____!ファリアス、______?」
「かわーーー。ーーーーー!」
兄二人→
「一日ぶり!ファリアス、ぼくがわかる?」
「あ、僕のことも覚えてる?」
「~~~、静か~~~~!ファー~~~~~~~!」
母様→
「三人共、静かになさい!ファーがびっくりしてるでしょう!」